【アラサー一人暮らし、理想の賃貸物件を探す】

【アラサー一人暮らし、理想の賃貸物件を探す】「プロパンガス・川沿いの部屋」避けた方がいい条件は?

2019/09/20 23:06
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 「引っ越しシーズン」といえば、新生活がスタートする春先を連想しがちだが、実はこれから“狙い目”な時期がやってくる。8~9月は転勤シーズンのため物件に空きが生まれ、10~12月中旬までは引っ越し業者が「閑散期」のため、費用が安く済むのだ。とはいえ、不動産サイトをのぞいても、素人目では“いい物件”の判断がつかない……。そこで、住居・防犯・風水のプロが「アラサー女性一人暮らし」に最適な部屋をジャッジ。“物件三銃士”が認める理想の住みかは見つかるのか――!?

部屋探しのコツとポイント! 物件三銃士から3つの助言

・「プロパンガス」は“あえて選ぶ”もアリ
・部屋探しでは「ハザードマップ」の確認を忘れずに
・「自然に囲まれた家」は慎重に選ぶべし

<賃貸物件の場所>

・都心部から電車で20分、最寄り駅から徒歩10分
・バルコニー側に車、歩行者用の道路あり(車・人通りは少ない)
・道路の向こうには川が流れており、周辺には草木が茂っている

<賃貸物件の詳細情報>

敷金/礼金それぞれ1カ月分、鉄筋コンクリート、5階建/5階(10戸)、角部屋、管理人巡回、防犯カメラあり、ペット可、オートロックあり、テレビモニターつきインターフォンあり、宅配ボックスあり、ゴミ出し24時間OK、プロパンガス、階段あり、エレベーターあり

 今まであまり気にしていなかったのですが、“ガス”には種類があるそうで……。「都市ガス」という表記をよく見るので、こちらが一般的なようですが、この物件は「プロパンガス」が使われているようです。正直、違いがまったくわかりません! “ガスの基礎知識”について、わかりやすく教えてください! それと、この物件はバルコニー側に道路があるのですが、それを挟んだ向こう側には川があって、緑も多く、とても落ち着く環境です。休日は、バルコニーに出てのんびり……なんていう過ごし方にも憧れます。とはいえ、大雨で川が増水したり、木々から虫や鳥が飛んできたり、自然が近いからこその注意点がありそう。階数は5階と低くはないですが、こういった周辺環境は避けるべきですか?

リバーサイド物件は「輪中」に要注意! 「住居のプロ」評価★★★★☆

 都市ガスとプロパンガス(LPガス)は、「天然ガス」と「液化石油ガス」という種類の違いがあるのですが、何より大きく異なるのは、その供給方法です。都市ガスの場合、ガス管を通じて各家庭に供給されますが、プロパンガスの場合はガスボンベにガスを充填して、各家庭に届けられます。つまり、ガス管が整備されている都市部の住宅密集地では都市ガス、ガス管が整備されていない郊外のエリアではプロパンガスが使われる場合が多いです。

 プロパンガスはいまだ“自由料金制度”が採用されているため、都市ガスに比べてやや料金が高めになる傾向があります。しかし、万一の災害時には、ガス管の復旧を待たずに直接ガスを使うことができるため、近年は「防災住宅」を掲げた物件で、あえてプロパンガスを採用するケースも増えています。

 この物件は「道路の向こうに川が流れている」という立地のようですが、一般的に「リバーサイドのマンション」は評価が高くなる傾向にあります。目の前が車通りの少ない静かな道路で、さらにその向こうに川が流れているのであれば、窓からの眺望を遮るような建物がなく、明るさと開放感に恵まれた環境の中で暮らせるからです。また、「緑視率(視界の中の緑の量)」が高いほど、人はリラックスできると言われますから、窓辺に緑が広がる住まいは居心地の良い場所になるはずです。ただし、緑の量が多いと、そのぶん虫の数も多くなるので「虫が苦手」という方は覚悟が必要ですね(笑)。

 なお、「リバーサイド」の物件で注意したいのは、川の水位よりも地面のほうが低い「輪中(わじゅう)」と呼ばれる地域にある場合。おそらく、そのエリアは過去に何度も水害に見舞われた歴史があり、今後も大きな災害が起こる可能性があります。筆者としては、「あえて住まいに選ばないこと」をオススメします。

 近年は想定外の気象災害が起こるケースもあるので、自治体のホームページで公開されている「ハザードマップ」は、物件を決める際に必ず確認しておきましょう。「その場所にどんなリスクがあるか?」を事前に知っておくことは、住まい選びを行う上でとても大切なことです。

■「住居のプロ」福岡由美(ふくおか・ゆみ)
ライターエージェント、ヒューズ・エンタープライズ代表取締役。住宅ライター・住宅ローンアドバイザー・FP技能士・ ラジオ構成作家。大手生命保険会社で事務職に従事した後、 ラジオレポーターに転身し名古屋・ 東京の放送局で中継レポーターとして活躍。その後、 間取り好きが高じて住宅ライターとしての活動をスタート。 現在は東京・ 名古屋を拠点に全国で取材を行いながら住宅情報ウェブサイト等で コラム・レポートを執筆中。20年超の取材経験を生かし『女性のためのマンション購入セミナー』や『失敗しない家づくりセミナー』などの講師も務めている。
中日新聞「オピ・リーナ」ブログ『なごやのねたや福岡由美の名古屋ネタ帖

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