しみけん・ドルショック竹下対談【後編】

社会には“セックス説教おばさん”が必要――「セクハラ」と「性交渉」の境界線【しみけん×ドルショック竹下対談】

2019/09/12 21:00
有山千春

「セクハラ」と「性交渉」の境界線

――セクハラの捉え方も、人によって異なるところがあります。そうすると、職場恋愛やそもそも恋愛する男女そのものが減っていくようにも思います。

ドル 逆に、出会い系アプリなどのツールがあるから、職場恋愛に縛られずにセックスできるという明るい面もあります。結婚は職場で、遊びはアプリで、と意識をはっきりわけることができる。

しみけん 家庭にセックスを持ち込むと、セックスレスや不倫で悩みますから、恋愛と結婚、セックスは、それぞれタスクをわけるべきだと思います。

 あと、セクハラの件ですが、ハラスメントって、今までコミュニケーションを取るのが苦手でやられっぱなしだった人が、「これはいい武器を見つけた」と間違った使い方をしている側面もあります。なんでも「ハラスメントだ!」と言えば、自分の身が守れると思っている人がいますが、それは違うと思います。

 これは僕の持論ですが、対等な立場でのセクハラって、「おっぱい揉ませてよ」「嫌だよ」の、1ターンならセクハラじゃなくて。拒絶したあとでまた、「いやいや、揉ませてよ」の2ターン目が来ると、それはセクハラ。

ドル 拒絶の意思表示があるのに繰り返すのは、嫌がらせでしかないですからね。

――そんな令和の時代によりよいセックスをするために、どうすればいいでしょうか。

しみけん 男性は、断られることや失敗することを、練習する。女性は、相手を変えるよりも自分が変わる方が楽だと知った上で、男性に対し希望を持たせる言い方を練習する。ハラスメントについて、自分のなかで線引きをはっきりさせる、ですね。

ドル 結局、自分の弱み見せたり正直になることが、自分がもっとも楽になる手段なんですよね。「女に指摘されると腹が立つ!」と思ってしまったり、「相手に弱みを見せられない」というかたくなな気持ちを抱きすぎると、楽になれない……と、みんなが思える世の中になればいいなと思います。心を裸にしないと、セックスはできませんからね。

(取材・文=有山千春)


しみけん
千葉県生まれ。男優歴22年、出演本数1万本、経験人数1万人を超えるトップAV男優で、性の求道者。趣味は筋トレ、クイズ、ダンス、食べ歩き。近著に『しみけん式「超」SEXメソッド 本物とはつねにシンプルである』(笠倉出版社)、ほか著書多数。

ドルショック竹下
体当たり取材を得意とする、体験マンガ家。2016年に女児を出産。近著に電子書籍『挿れるモノ拒まず~旦那がいてもシてみたいんです~』(大洋図書)ほか多数、サイゾーウーマンにて『ヤリマン引退!~マンを持して育児はじめました~』を連載。

最終更新:2019/09/12 21:00
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