[ジャニーズツッコミ道場]

ジャニーズJr.・橋本&井上“シンメ”、HiHi Jetsとしての美しい物語に訪れた「失望」

2019/09/10 14:51
南山ヒロミ

「良い子」井上と「ヤンチャ」橋本の好対照ぶり

 そして13年。『滝沢演舞城2013』に、井上と橋本、Jr.における歌のスペシャリスト・金田耀生と同じくアクロバットのスペシャリスト・林蓮音、さらに先述の玉元と、同じくすでに退所してしまった羽場友紀が出演していた。ネット上では通称「ちび6」と呼ばれる、今の「少年忍者」のような高いスキルを誇るちびっ子集団である。

 この6人の中では、金田の歌、林のアクロがA~Sランクと思われる突出した実力であったのに対し、井上はいずれも一番手ではないものの、歌もアクロも演技も全て二番手にあるオールマイティぶりを発揮していた。もちろん可愛さも変わらない。対して、橋本は突出したスキルこそなかったものの、ほかの5人が和装の中、一人洋装で可愛く踊っていた姿が印象的だった。

 そして、公演終了後。昼の部だけ出演していた「ちび6」たちは、舞台が終わると、まだ劇場付近に多数いるファンの間をダッシュですり抜けて行った。橋本が先頭で、ほかの子たちに「マック行こうぜ!」と大きく高いハスキーボイスで言い、井上は一人静かにお行儀よく歩いていた。この好対照ぶりは強く印象に残っている。

 そして同年の『ザ少年倶楽部クリスマススペシャル』(NHK BSプレミアム)。司会のHey!Say!JUMP・中島裕翔、薮宏太や、A.B.C-Z、Sexy Zoneが並んで座っている後ろのひな壇に、Jr.たちがズラリと並んでいた。

 井上はその最前列で真ん中の良いポジションにお行儀よく座り、ニコニコしたり、先輩たちの話を聞いては、細やかにリアクションをとったりしていた。どこからどう見ても「良い子」である。

 対して橋本は、井上の隣辺りで間を空け、最前列の中央寄りに座っていたものの、時々、周りの子と私語をして笑っているような様子が先輩たちの後ろに映り込んでいた。と思ったら、後に映ったときには、先ほどまでの笑顔が消え、真面目な、ちょっと青い顔をしている。この間に何があったのかは、放送されていないため不明だが、「きっとふざけていて、スタッフか先輩に怒られたんだろうな」と思うと、まるで教室風景を見ているようで、その子どもらしいヤンチャぶりが微笑ましくもあった。

 どう見ても合わなさそうな二人が、いろいろな仲間との出会いや別れを繰り返し、いわゆる「後輩」たちのデビューを横目に見ながらも、「HiHi Jets」として結束していったのは、美しい物語に見えた。

 そして最近では、曲調や歌詞にまったく合わない「ベロ出し」を度々、得意げにやってみせる橋本に「なんのこっちゃ?」と思いつつも、それがセクシーだということでファンの女の子たちに好評であることを知り、彼なりの努力・工夫を見た気がしていたのだが……。

 ジャニーズJr.を応援するというのは、幼い頃から見守れる楽しみがある一方で、こうした失望を伴うことも改めて感じさせられる、今回の騒動だった。
(南山ヒロミ)

最終更新:2022/07/27 17:12

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