【連載】スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコの“教祖様”注意報

子宮委員長はる、次に狙うは「市長」!? “狙われた”長崎県壱岐市の危ない今

2019/09/04 21:00
黒猫ドラネコ

happyが沈黙する中、今度は「子宮委員長」が台頭

 その後、18年10月に観光大使・happy主導による『縄文祭』が、壱岐市で開催されます。happyファンが約2,000人も一気に来島したかと思えば、会場となった公園の芝生を荒らし、深夜までどんちゃん騒ぎをしていたことで、騒音問題まで起こしたイベントです。市民の大ひんしゅくを買ったことは、以前もコラムで触れました。

 この一件は、市議会や地元メディアで批判的に取り上げられており、そこから「観光大使」解嘱までは1年足らず。今年7月31日付で、happyは観光大使としての役割を終えました。その後、8月30日付の地元紙「壱岐新報」は、happyの解嘱を一面で取り上げ、「島外での公序良俗に反するイベント開催」が理由だったとしています。「島外」となると、『縄文祭』とは別のイベントということになりますから、おそらく市側はhappyの動向に、四六時中目を光らせていたのでしょう。

 壱岐市を引っかき回したhappyですが、『縄文祭』での問題についても、観光大使を降ろされたことについても、現時点では何もコメントを出していません。happyがこのままフェードアウトして、壱岐市と怪しいスピリチュアルの関係も断ち切れるかと思いきや、いま壱岐島には、元「子宮委員長」八木さやが住んでいるのです(どこにでも出てくるな、この人!?)。happyとのつながりもあって、昨年末に移住した八木さやは、最近「総理大臣になりたい」「まずは壱岐市長選に出る」と自身のブログで豪語しており、“信者”の心を躍らせています。

 八木さやはhappyから壱岐市内の「旧・研修センター」の施設を買い取り、今年8月31日に信者を集めてそこでイベントを開催しました。熱心な信者のSNSにアップされた打ち上げパーティーの動画を見ると、意気揚々とスピーチをするhappyの姿も。彼女は八木さやの市長選出馬にあたって「ウグイス嬢をやりたい」そうで、「終身雇用も何のその!」「老後も心配いらず!」などとシミュレーションをしていました。そして、信者と一緒に「八木市長」誕生の瞬間を想定し、“万歳三唱”まで……。前日に地元紙一面で観光大使の解嘱を大きく報じられ、「連絡が不通」「(解嘱通知の)返答はない」と書かれていたhappy本人が、市内で大はしゃぎしているのです。このメンタルの強さ、本当に驚きます。

「子宮委員長」に“狙われた”壱岐市のいま

 「元・子宮委員長が市長選に」。これを多くの人は「冗談」だと捉えていると思います。しかし、彼女は「移住支援ビジネス」展開のため、市内の不動産を買い漁っていることを公表しており、すでに動き始めているのです。移住者が増えること自体は、過疎化に悩む市にとって喜ばしいことかもしれません。しかし、『縄文祭』で痛い目を見たはずの行政サイドとして、高額スピ商材などの販売を生業としている八木さやや、彼女を追って移住してくるかもしれない“信者”たちを歓迎すべきかどうかは、一考しなければならないでしょう。

 これだけでなく、八木さやは壱岐市内の神社二社にそれぞれ1,000万円を“奉納”しており、「来年は3千万円目標です」と宣言しています。「神社密度No.1の壱岐島の 神社の全部を活性化したい」とブログでその理由をつづっていますが、金を積むことに市長選の地盤固めの意図がないと言い切れるのでしょうか。スピリチュアル色の強い高額商品販売や、「自分ビジネス講座」なる情報商材で稼いだ軍資金は潤沢。「当選するはずない」と笑っていられないかもしれません。

 八木さやはこの夏、市内で行われた花火大会の大口スポンサーにもなっており、着実に市との距離を縮めています。夜空に咲く大輪を楽しんだ市民のほとんどは、こういった現状を知らないはず。果たして壱岐市は、「スピリチュアル観光大使」の騒動を教訓に、「スピリチュアル市長」の誕生を阻止できるのか。今後も注視していきたいと思います。

■黒猫ドラネコ
 大分県生まれ、大阪を経て東京都内在住の36歳。職業、性別は非公表。身内が「子宮系女子」となって壊れた経験から、怪しいスピリチュアルや自己啓発セミナーなどの監視と注意喚起を開始。本当の趣味はスポーツ観戦、漫画・アニメ鑑賞。3食スイーツでもいい甘党。
Twitter/ブログ「黒猫ドラネコのブログ(仮)

最終更新:2019/09/04 21:38
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