整形を肯定する時代に

“無名の人”にされた鼻手術、愛ゆえに受けた膣手術……美容整形を告白したセレブ

2019/09/16 17:00
堀川樹里

タイラ・バンクス

 トップモデル時代は名だたるブランドのランウェイを歩き、現在は司会者、プロデューサー、実業家、慈善家として活躍しているタイラ。アフリカン・アメリカン女性の憧れの的だが、昨年リリースした自叙伝『Perfect Is Boring』には、ローティーンのころに鼻について大いに悩み、整形手術を受けたことが書かれている。

 タイラにとっての思春期はさまざまな“痛み”が伴うものだったようで、11歳の時にわずか3カ月間で身長が約8cm伸び、体重は13kg減ったという。何を食べても体重が増えなかったため、病気を疑って病院に行ったが、成長の過程だと片付けられてしまった。

 同様の異変は、鼻にも起こったとのこと。「鼻の骨が成長し続けてしまい、かゆくてたまらなかった」と激白。医療処置が必要なわけではなかったが、鼻の骨がどんどん大きくなり、このままだと外見にも影響すると懸念し、美容整形で鼻を小さくしたとつづった。

 現在45歳のタイラは「(美容整形やメイクなしでも美しい)ナチュラル・ビューティーたちが、美容整形した女性を批判する風潮には不快感を覚える」と述べ、自分はまだ受けていないと前置きした上で、「アンチエイジングの美容整形に対しても、私は批判するつもりはまったくない」と美容整形を肯定した。

リサ・クドロー

 メガヒットコメディ『フレンズ』(1994~04)のフィービー役で知られるリサ。彼女が美容整形を受けたのは、高校生になる直前のこと。ユダヤ人の特徴とされるワシ鼻を小さくして、新生活をスタートさせたかったのだ。

 彼女は13年に米誌「サタデー・イブニング・ポスト」のインタビューで、悲惨な中学時代を激白。「中学に上がる時、仲良しだった2人から『友達をやめる』と宣告されたの。中学には、彼女たちが知っている(イケてる)子がたくさん通っていて。私がいるのが、うっとうしかったみたい」と回想し、「人気のある生徒は、性格がいいから、みんなを楽しませてくれるから、人気者なわけじゃない。一番意地悪だから人気者になれるのよ」と、一人ぼっちだった中学時代を回想した。

 そのため、知らない人たちばかりが通う高校に上がる際、「自分を醜くしている」と思い込んでいたワシ鼻を変える決意をしたとのこと。「過去の私を知らない人たちばかりだったから、自分にとっては最高だった。最高の変化だったの!」と語り、整形手術を受けたおかげで自信がつき、充実した高校生活を送れたのだと語った。

ジェニファー・グレイ

 青春映画『ダーティ・ダンシング』(1987)でヒロイン役を演じたジェニファー・グレイ。キュートかつ知的なルックスのジェニファーはモテモテで、マイケル・J・フォックス、ジョニー・デップ、マシュー・ブロデリック、ウィリアム・ボールドウィンらと交際。どこに行ってもチヤホヤされ、セレブライフを謳歌していた。

 しかし、その後、状況は一変。というのも、リサ・クドローと同じく、ユダヤ系だった彼女は89年に気にしていたワシ鼻にメスを入れたのだが、ほんの少し形を変えただけで、まるで別人のようになってしまったのだ。

 ジェニファーは、12年に開催された『ダーティ・ダンシング』公開25周年の記念イベントで、「セレブとして美容整形の手術室に入ったのに、出てきた時は無名の人になってしまった」と、ため息まじりに話した。嫌いだった鼻が、皮肉にも彼女の最大のチャームポイントだったことを思い知ったという。「地獄のような手術となってしまったわ。私は誰にも気づかれなくなって、“有名だった女優”に成り下がってしまったのだから」と肩を落とした。

自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話
痛さとダウンタイムさえなければな~
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