[女性誌速攻レビュー]「ar」9 月号

YouTuberリョウからプロポーズ! 「ar」着回し企画の“妄想ストーリー”はツッコミどころ満載

2019/08/31 16:00
島本有紀子

EXILE界の常識に震える

 次に気になったのは、EXLE系列の若手16人組ダンス&ボーカルグループ「THE RAMPAGE from EXILE TRIBE」のメンバー、川村壱馬と吉野北人(ともに22歳)のインタビュー「その美しさにお悶絶 あなたの隣のRAMPAGE BOYS」です。7ページが費やされているのですが、EXILE界の単語が多く、あまり理解できた気がしません。「BATTLE OF TOKYO」「Jr.EXILE」「FANTASTICS」「HiGH&LOW」「WORST」「WELCOME 2 PARADISE」「ベクトルは変わらない ブレないOnlyone(註:これは歌詞だそうです)」等、EXILE界の住人でなければなかなか接することのない単語が、詳しい説明なしにぽんぽんと出てきます。

 最も興味を惹かれたのは、ボーカルである川村の「前日飲みすぎても、思い込まなければ歌える」というお言葉。川村いわく、「歌について、普段から気をつけていることは特にないですね。思い込んだ瞬間にそうなる、ってことあるじゃないですか。例えば、雨の日に濡れたら風邪ひくよとか。(中略)自分が思わなかったらならない。たとえ前日飲みすぎたって、酒焼けにならないと思えば、ステージに立った瞬間に全然歌えます!」とのこと。

 「それ、若いうちだけだから気を付けなよ」と心の中で助言しつつ、“何事も気持ち次第! うまく行かないのは気持ちの問題!”という姿勢は、まさに体育会系ブラック企業の考え方だなと震えました。

 読む人によっては「プロ意識に欠けている」と思われる可能性の高い、この発言。掲載OKにするとは、さすが居酒屋のレモンサワーを飲みつくした(といううわさのある)EXILE集団です。しかし、そんだけ自信あるなら、この人の歌、聞いてみようかな……という気にもさせられました。

ar (アール) 2019年9月号 【表紙】 桐谷美玲/主婦と生活社(雑誌)
「YouTuberはモテる」という感覚に乏しい昭和生まれよ
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