[女性誌速攻レビュー]「ar」9 月号

YouTuberリョウからプロポーズ! 「ar」着回し企画の“妄想ストーリー”はツッコミどころ満載

2019/08/31 16:00
島本有紀子
「ar」2019年9月号(主婦と生活社)

 甲子園も終わり、夏のピークは去ったと思しき今日この頃。しかし、ここ4カ月ほど夏に浮かれた企画が続いている「ar」(主婦と生活社)は、8月中旬発売の9月号でもまだ夏をあきらめていません。

 メイク企画「ニッポンを明るく照らすよ ぽかぽかキラキラおひさま顔」では、「まだまだ夏は真っ盛り! おひさまみたいにハッピーな顔になって、蒸し暑さを吹き飛ばそー!」と呼び掛けていますし、俳優のインタビューページのタイトルは「二人の季節は今日始まった… 神尾風珠と鈴木康介の終わらない夏」です。同誌の夏好きにちょっと引きつつ、早速、中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎モテる服だけで着回した 夢みたいにモテまくる2week
◎その美しさにお悶絶 あなたの隣のRAMPAGE BOYS
◎自分、マジでイイ女 説 “酔えるメイク”で恋の戦闘能力を上げる!

着回し企画にYouTuberの彼登場

 最初に見ていくのは、着回し企画「モテる服だけで着回した 夢みたいにモテまくる2week」。このストーリーがぶっ飛んでいます。主人公はPR会社で働く聡子、28歳(モデルは宮田聡子)。クローゼットをモテ服に総入れ替えしたら、どこに行ってもモテまくる! という内容なのですが、そのモテっぷりはまさに夢のよう。

 バーに入れば「あちらのお客様に」と次々ドリンクが届き、インスタにOOTD(outfit of the day=今日の服装)をアップすれば「いいね!」77,777件とバズり、カフェに行けばパフェが勝手に大盛サービスされ、コーヒーのテイクアウトすれば店員のLINE IDをカップに書かれ、飲み会では男性に取り合いをされ、花屋に寄れば男性店員から深紅のバラを1本贈られます。

 極めつけは、聡子が元から大ファンだった人気YouTuber・リョウとの出会いです。簡単にその概要をまとめます。
 
8月13日 街で生配信中のリョウを見かけ「大ファンなんだよね」とウットリ
8月19日 早速リョウを起用したイベントを企画し、リョウと初対面
8月20日 リョウからインスタに「これからもよろしく」とDMが届く
8月21日 リョウを含めて飲み会
8月22日 リョウの忘れ物(YouTube配信用の三脚)を届けるため2人で会う
8月25日 デートで指輪を渡され、「結婚を前提に付き合って」と言われる
 
 ……出会いからわずか1週間でプロポーズされるという、怒涛の展開でした。もしかしてリョウは、「職権乱用&公私混同で近付いてきた業界人キドリ女子を1週間で落として見た!」という動画のネタとして聡子に近づいてきたのでは……と疑わずにはいられません。きっとプロポーズ中も、どこかで隠しカメラが回されているはず。聡子の身が心配です。

 服に目がいかないくらいストーリーが濃いのは、ファッション誌としては成功なのかわかりませんが、これからも「ar」には、こんなふうに、たくさんの妄想が膨らむ“夢”を見せてもらいたいです。

ar (アール) 2019年9月号 【表紙】 桐谷美玲/主婦と生活社(雑誌)
「YouTuberはモテる」という感覚に乏しい昭和生まれよ
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