海外ドラマの向こうガワ

【2019年最新】海外ドラマおすすめ作品はコレ! 「超人気」から「マニアック」まで一挙紹介

――海外生活20年以上、見てきたドラマは数知れず。そんな本物の海外ドラマジャンキー・堀川樹里が、新旧さまざまな作品のディティールから文化論をひきずり出す!

『ウォーキング・デッド』人気の要因――吸血鬼ブームの反動?

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ウォーキング・デッド コンパクト DVD-BOX シーズン1』(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)

 アメリカのB級ホラー映画界で不動の人気を誇るキャラクターといえば、ずばりゾンビである。視覚的に刺激的で、いつどこから襲われるか分からないというゾクゾクするスリル感。容赦なく無差別的に、そして黙々と人を襲うゾンビは、アメリカ人にとって恐怖のツボをピンポイントに突く存在なのである。

 そんなアメリカで大人気のゾンビだが、そのルーツはコンゴにあると言われている。コンゴで信仰されていた不思議な力を持つ神「ンザンビ」が、アメリカに連れてこられた奴隷たちの口伝えによりいつの間にかお化けという意味の「ゾンビ」に変わってしまったというのだ。初期のゾンビは魂のない体だけの奴隷のようなもので、1932年にゾンビが初登場した映画『ホワイト・ゾンビ』でも、機械のような奴隷マシーンとして描かれている。

 今日の、人間を襲い食べる恐ろしい存在として描かれたのは、1968年に公開されたジョージ・A・ロメロ監督の『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』。この作品では、白人ゾンビの大群が、黒人の主人公たちを襲う姿が描かれ、ゾンビが人肉を貪るというシーンは、当時世間に大きな衝撃を与えた。そして、同監督が次に手がけた『ゾンビ』では、「ゾンビは生きている者の新鮮な肉を食す」「倒すには頭部を破壊しなければならない」という、ゾンビ方程式なるものが作り出された。

『クリミナル・マインド』はなぜウケた?――犯罪者の心理をプロファイリング

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クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪 シーズン1』(ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社)

 21世紀に入り、アメリカでは空前のクライム・サスペンス・ブームが起きている。視聴者のニーズに応えようと次々と犯罪捜査ドラマが制作され、その多くがヒットとなっている。アメリカ人が、ここまで犯罪ドラマを好む理由は、ずばりアメリカが犯罪大国であるからだろう。

 アメリカでは年間1,115万件の主要犯罪(放火を除く)が起こっているが、そのうち凶悪・暴力犯罪事件は138万件(外務省発表)。ちなみに日本の年間刑法犯認知総件数は182万件で、そのうち凶悪・暴力犯罪は約4万件(警察庁の警察白書)である。日本の人口はアメリカの半分以下であるが、それを考慮してもアメリカの犯罪が格段に多いことがよく分かる。

 このようにアメリカでの犯罪事件発生率はとても高いのだが、逆に犯罪検挙率はとても低い。殺人事件における検挙率はわずか60%程度(日本は98.2%)。多発する殺人事件に犯人検挙が追いつかないのだろう。300人以上を殺害したとされるヘンリー・リー・ルーカスや、33人の少年を強姦した後殺害した殺人ピエロことジョン・ゲイシーなど、日本では考えられないほど多くの犠牲者を出した後、やっと逮捕されるという連続殺人事件も多い。

『NCIS ネイビー犯罪捜査班』――アメリカで視聴率ナンバー1を獲得

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NCIS ネイビー犯罪捜査班 シーズン1』(パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン)

 銃器の合法所持が認められているアメリカでは、殺人発生率が非常に高く、日本の5倍以上だとされている。合法所持が認められているからこそ、この程度で済んでいるのだという恐ろしい説もあり、強姦、児童性的虐待、強盗、ギャング抗争などを含むと、莫大な犯罪数になり、ゆえに犯罪大国だと言われるのである。

 一方で犯罪検挙率は低いものとなっており、殺人事件においては60%程度。犯人の手がかりが全くつかめなかったり、容疑者が特定できても逃亡され、迷宮入りし「コールドケース」となる事件も少なくない。

 殺人は34分毎、強姦は6分毎、傷害は34秒毎に発生しているアメリカ(在米日本大使館発表)。当然のように国民の犯罪に対する関心は高く、犯人逮捕のために協力を惜しまない。FBI重要指名手配犯らの逮捕につながる手がかりを、リアルな事件再現ドラマと写真を交えながら呼びかけるTV番組『AMERICA’S MOST WANTED』(1988年~)には、毎週多くの情報がネットや電話で寄せられ、実際に犯人逮捕に云るケースも多い。また、事件現場に急行する警察官と行動を共にし、犯人逮捕までの過程を撮影したまま放送している緊迫感溢れるドキュメンタリー番組『COPS』も安定した視聴率のもと、1989年から続くロングランとなっている。

『グレイズ・アナトミー』――じれったい王道ラブストーリーを描く

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グレイズ・アナトミー シーズン1』(ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社)

 1960年代に放送された『ベン・ケーシー』を筆頭に、『外科医ギャノン』『St.Elsewhere』『ER 緊急救命室』『シカゴホープ』など様々な医療ドラマが放送されてきたアメリカ。その中で2005年に放送開始された『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』は「常に患者目線」なドラマとして、視聴者から熱狂的な支持を得た。

 ドラマがヒットした背景には、「お金持ち以外は満足な治療が受けられない」というアメリカが抱える医療制度問題が色濃く影響している。

 アメリカでは医療保障においても個人主義であり、日本のように国民全員が加入できる公的医療保険制度はない。個人で、もしくは勤務先を通して民間医療保険に加入するか、または保険に入らず完全自己負担で医者にかかることになる。

『SHERLOCK シャーロック』――ハンパじゃないこだわりに迫る

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SHERLOCK / シャーロック』(角川書店)

 医師から作家に転向し、多くの名作を残したアーサー・コナン・ドイルの人気推理小説シリーズ『シャーロック・ホームズ』。鋭い観察眼と推理力を持つ顧問探偵シャーロック・ホームズの活躍を、友人で医師のジョン・H・ワトソンの目を通して描いた作品で、今なお世界中で愛され、読み継がれている。2012年にギネスから「映画やテレビドラマで最も多くの俳優に演じられた小説の登場人物」認定されたシャーロックだが、近年まで英テレビドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』(1984~94)に主演したジェレミー・ブレットが、「挿絵のイメージそのもの」であることから、シャーロックのイメージに最も近いとされていた。

 08年、英「BBC」局が「ベネディクト・カンバーバッチ主演で、物語の舞台を現代に移してシャーロックを蘇らせる」とドラマ『SHERLOCK シャーロック』の制作を発表した時、「巻き毛で透き通った瞳のシャーロックか……」と戸惑う声が上がった。「辻馬車でなくタクシーで移動するシャーロックなんて、雰囲気が出ない」と落胆する人もいた。しかし、放送がスタートすると、大半の人が「シャーロックの性格と雰囲気を見事に体現している」とベネディクトを絶賛。舞台が現代のロンドンであることも、違和感なく受け入れられた。

『アルフ』――声優と地球に向けられた優しいまなざしが魅力

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アルフ 1stシーズン 前半セット (1~13話・3枚組)』(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)

 「UFOにさらわれた!」「エイリアンに襲われた!」「政府は地球外生命に関する情報を握っている!」というB級ネタが大好きなアメリカ人。彼らの「奇抜な発想」や「豊かな想像力」はテレビ界にも生かされており、今からさかのぼること半世紀以上も前から宇宙やエイリアンを題材にしたドラマが制作されている。

 1959年に放送開始された『トワイライト・ゾーン』を皮切りに、1965年には「アメリカ政府の惑星殖民政策により宇宙へと飛び出した」家族のスペース・ファミリードラマ『宇宙家族ロビンソン』が、翌年には『宇宙大作戦スタートレック』がスタート。単なるSFファンタジードラマに留まらず、作品を通して当時アメリカが抱えていた差別問題や社会問題なども描き、人々の意識改革を促してきた。

 また、人間そっくりのエイリアンが「ひょんなことから」地球に住むようになる、というストーリーラインも人気で、1963年に放送開始された「地球に不時着した人間そっくりの火星人」が繰り広げるコメディ『My Favorite Martian』や、70年代後半に入ると、当時駆け出しの役者だったロビン・ウィリアムズ演じる「オーク星からやって来た人間そっくりの宇宙人」のコミカルな物語『Mark & Mindy』が登場。

『THIS IS US』――“ドラマ疲れ”のアメリカで愛される理由は……

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THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから(シーズン1)』(20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン)

 4月からNHKのBSプレミアムでシーズン2が放送される『THIS IS US 36歳、これから』。家族愛、人間のつながりがテーマの一見地味なファミリードラマだが、アメリカでは大ヒットしている。

 物語の主人公は、シーズン1で36歳の誕生日を迎える“三つ子”。ケヴィンとケイトは血のつながった兄妹、ランダルは捨て子でケヴィンとケイトが生まれた病院に保護されたのだが、三つ子の一人を死産で失い、悲しみに暮れるジャックとレベッカ夫婦に見いだされ、引き取られた。3人は男気のあるジャックと、家庭を平和にするための努力を惜しまないレベッカから、無償の愛を注がれ育つ。

 ドラマは、「3人が36歳になり、ミッドライフ・クライシス(中年の危機)に足を踏み入れた現在」と「36年前に3人がこの世に生を受け育った過去」、「3人が生まれる前の遠い昔」を何度も行き来しながら、家族、人生、幸せとは何なのかを視聴者に問いかけながら進んでいく。

 昨年2月に放送されたシーズン2第14話の視聴数は、昨年アメリカで放送されたドラマのエピソードの中で最多を記録。シビアな評価で知られるレビューサイト「Rotten Tomatoes」でも、シーズン1・2は91%、シーズン3は94%と、高く評価されている。なぜ『THIS IS US 36歳、これから』は、ここまで全米から愛されているのか? その魅力をひもといてみたい。

『ゲーム・オブ・スローンズ』――あの人気ミュージシャンも登場!

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ゲーム・オブ・スローンズ 第一章:七王国戦記』(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)

 5月に最終回を迎えた、人気ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』。怒涛の展開を見せた最終話は賛否両論だったが、最終シーズンは1話約1,500万ドル(約16億2,000円)の制作費用をかけている作品だけに、見応えは十分。今なお余韻に浸り続けるファンは多い。

 超自然現象や魔法、巨大なドラゴンが登場する中世ヨーロッパのような暗黒の異世界を舞台に、7つの王国からなる統一王朝の支配者“鉄の玉座”をめぐってって死闘を繰り広げる諸名家の興亡を描いた同作。ジョージ・R・R・マーティン著の人気ファンタジー小説シリーズ『氷と炎の歌』が原作となっている。莫大な制作費を投入した迫力満点な映像のほか、グロテスクな暴力シーン/セックスシーンが多く、“大人が楽しめるファンタジードラマ”として世界的に大ヒットした。

 ヒットのもうひとつの要因は、登場人物たちのキャラクター。冷酷かつ残虐な王、小人症というハンディがあるものの頭脳明晰で情にも厚い男、壮絶な戦いの中で凛と強く生きていく女性たちなど、魅力たっぷりなキャラクターが登場し、「善人かと思ったけど、見方によっては悪者かもしれない」という展開も。

■堀川樹里(ほりかわ・じゅり)
6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴20年以上、豪州→中東→東南アジア→米国→台湾を経て、現在は日本に帰国。数年後に来るだろう海外生活を前に、日本での生活を満喫中。
最終更新:2019/08/24 18:30
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