[連載]ヤリチン卒業!! 叶井俊太郎の子育て奮闘記

クラブ活動を頑張ってるチームメイトに「ダサい!」、生意気な言葉の裏にある“かもしれない”彼女たちの心理

2019/08/19 19:00
叶井俊太郎
(C)倉田真由美

 小学4年生の娘ココが、2年生のころから通い始めたバドミントンクラブ。土曜日の練習時間は正午~18時と長いので、以前は30分おきにおやつタイムがあり、みんなでおやつをポリポリ食べたり好き勝手に練習してたりとゆるゆるな雰囲気でした。が、4月からかなり厳しくなってきて、おやつタイムもなくなってしまいました。時間が長いので、1時間おきには休憩はするけどね。

 というのも、5・6年のチームがかなり力をつけ、都の大会で上位に進出することが続き、クラブで初めて関東大会にも出場したんです。そのため4年生に対しても「みんなで関東大会目指そう!」という雰囲気に変わってきました。

 コーチが厳しくなったもう一つの理由は、練習試合での出来事。5月にココたち4年生は練習試合に出て、そこそこ勝つことができた。ココも3回戦まで進んだものの、負けて号泣していました。ほかの子もがんばって、みんな1回は勝つことができたけど、負けたらやはり号泣! 試合内容と負けて泣いている姿を見て、コーチは「悔し涙を流すということはやる気もあるし、がんばればもっと強くなれる」と思ったらしいのです。

 そんなわけで4月からは毎週土曜日の練習に加え、水、木、金の18時~21時も練習となりました。ココはよっぽどバドミントンが好きなのか、夜の練習はほとんど参加してます。ちなみに4年生は女子10人、男子は2人。

 この中で、土曜日は参加するものの、なぜか夜の練習や試合にも出ない女子が数人います。その子たちに「なんで試合に出ないの? 夜の練習もみんな来てるから、来てみれば?」と聞いてみました。そしたら「私たちは遊びでバドミントンをやってるし、試合なんかダサい! やらないし出ないよ!」というじゃないですか……。試合に勝つために練習でがんばることを「ダサい」と言うのか……。一瞬「生意気」と思ったんですが、この「ダサい」という言葉の裏には彼女たちなりの事情があるのかも。

 というのも、この数人以外のメンバーは夜の練習にも積極的に参加し、かなり上達している。なので、毎週土曜日に4年生メンバーで練習試合をすると、この数人がまったく相手にならなくて、力の差は歴然。彼女たちにとっては、もともとゆったりとしたクラブの雰囲気が好きだったのに、周りは上達していくから面白くなく、それに拗ねて「頑張るのはダサい!」と言っているのかも。

 また、ココたちはユニフォームのほか、シューズ、短パン、スカート、ラケットなどを入れる専用バッグをすべてヨネックスで統一しています。他校との試合に行った時に、ヨネックスを持っているチームは強そうに見えたので、バドミントン用品店のセール時にまとめ買いをしたのです。スポーツは見た目も重要でしょ? でもそれも彼女たちを孤立させたのかも。誰もがやる気があるわけじゃないし、ヨネックスに興味がないのかも知れないし、そもそもユニフォームにこだわりがないのかも。

 このように「遊びでゆったりやりたい子」と「試合に出て勝ちたいと練習に励む子」の二極化が見えはじめてきました。それでも練習中もみんなでワイワイ楽しそうにやってるけどね。先日、ゆったりやりたい子のママに会ったときに「みんな、夜の練習に来てるから、〇〇ちゃんも来たらいいのに」と話しかけたんですよ。そしたら「は? あなたコーチなの?」と返されてしまった……。しかし、よくこういった人をイラつかせる嫌味なセリフが思いつくよなぁ。ある意味天才だと思う。

 このママに話しかけると、毎回後悔することになるんです。子どもたちの練習中、長い間そばにいるのに無視するわけにもいかず、気を使って話しかけると玉砕というのがいつものパターン。この時ばかりはホント気が滅入ったので、今後自分から話しかけるのはやめようと決めました。

 子どもたちはずっと一緒にやってきたメンバーなので、モチベーションの違いで仲違いしないといいなあ。ココの当面の目標は、来年の関東大会出場! そのためにがんばってますよ。

最終更新:2019/08/19 19:00
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