ロングインタビュー第4回

【幸福の科学学園1期生語る4】青春をエル・カンターレに捧げた私が、いま教団について思うこと(追記アリ)

2019/08/20 16:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

2世の脱会は「親子の縁」を切ることにも……

――現在Aさんは幸福の科学を脱会されているのでしょうか?

A 気持ちの上では脱会していますし、信仰も活動も一切していません。でも、書類上では除籍されていないので、正式に辞めたことにはなっていないと思います。2世の場合、脱会しようとすると親に連絡がいくようなんです。それで揉めた知り合いもたくさんいます。私は親に連絡がいくのが嫌で、正式な手続きはせずに抜けたのですが、親がどうやら感づいたようで、ひとり暮らしの家に「このままでは不幸になる」「今あなたには悪霊がとり憑いている」みたいな手紙がいきなり送り付けられてきました。無視していると、今度は「私にとって、どれだけあなたがかわいい子だったか」といった親の思いをしたためた内容の手紙に変わり、それも無視したら、LINEで直接連絡をよこしてきました。いろいろな手で引き戻そうとしていたようですが、「気持ち悪い」というのが正直な気持ちです。

――そもそも、脱会しようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

A 親への不信感が一番ですね。親が信者だったことで、私も6~7歳くらいのときに幸福の科学に入会しています。当時の記憶はないし、親の影響もあって、何の疑問も抱くことなく信じ続けてきました。でも、幸福の科学学園に入ってから、山奥で常に大人の信者に監視されていることに息が詰まると感じるようになり、また、1期生ということでカリキュラムや先生の言うことがコロコロ変わったので、だんだんと「自分たちは“お試し”なんだ」「大人の都合に振り回されている」ということもわかってきたんです。それを親に訴えたものの、理解してもらなかったことが引き金になりましたね。親に対して疑問や反感を持つようになったら、親のバックにある幸福の科学自体にも疑問を感じるようになって、サラッと抜けたという感じです。

――現在の親御さんとの関係は?

A 親は“幸福の科学を信じている私”には優しかったのですが、幸福の科学を辞めるか辞めないかで揉めてからは関係がこじれ、結局、戸籍を抜きました。ひとり暮らしの家も数回引越し、住民票の閲覧もできないようにしているので、事実上の絶縁状態です。

――2世が脱会するのは、親子の縁を切るに等しいのでしょうか?

A 周囲の2世に話を聞くと、「親に説得を試みたらわかってもらえた」とか「幸福の科学を離れることを親が黙認してくれた」とか、そういう家庭もあるんです。うちのように親がストーカー化するような家庭は珍しいのかもしれません。どんな宗教にも言えることですが、結局は家庭環境なんですよ。ひどい親の下でなければ、私は現在も幸福の科学を信じて、幸せに暮らしていたかもしれません。親の言う通りHSUに編入して、今ごろは信者がやっている会社で働いていた可能性もあります。たとえ安月給でも、「私は選ばれた人間だから、この苦労は主が使命を課しているんだ」なんて、都合よく解釈して。実際、そういう2世もたくさんいるのではないでしょうか……そう考えると、もしかしたら、この親の下でよかったのかもしれませんね。幸福の科学に疑問を持てたので。 

「カルト宗教」取材したらこうだった (宝島社新書)
「青春をエル・カンターレに捧げた」という言葉の重みを感じています
アクセスランキング