『ハンドメイズ・テイル』の足音が……

ミラ・ジョヴォヴィッチが自身のつらい経験を明かしながら、中絶禁止への危機感を訴える

「中絶は地獄。やりたいと思う女性なんかいない」

 そして、「中絶は女性にとって精神的にとてもつらいこと。安全上や衛生上の問題がない所で受けるにしても、つらいものだわ」「2年前、私は緊急中絶手術を受けました。妊娠4カ月半で、東ヨーロッパで撮影をしている時に早期陣痛が始まってしまって。中絶措置を受けなければならなくなったの」と告白。「生きてきた中で最も恐ろしい経験だった。今も悪夢に出てくる」「今回の中絶禁止法案のせいで、私よりももっとひどい状況下で中絶しなければならない女性たちがいると思うと、吐き気がする」、つまり中絶が禁止されたことにより、安全面などの問題のあるような所で“違法に”中絶を受ける女性が出てくるのではないかと懸念。

 「(中絶後)私はこれまでにない絶望に見舞われた。このうつから抜け出すのには、とても苦労した。しばらく仕事を休み、何カ月も人との交流を断ち、でも2人の子どもたちの前では気丈に振る舞って」「ガーデニングを始め、健康的な食生活をし、毎日ジムに通うようになった。手っ取り早いからと抗うつ剤に手を出す前に、代替療法をすべて試してみようと思ったから。幸いにも私は薬を飲むことなく、地獄から抜け出すことができた」と述べ、「でも、あの時の記憶や失ったものは、死ぬまで私と共にあるわ」と苦しい胸の内を吐露した。

 ミラは最後に、「中絶は地獄。やりたいと思う女性なんかいない。でも、もし必要になった時、安全に中絶を受けることができるという権利を維持するため、私たちは闘わなくてはならない。自分の中絶経験は絶対に語りたくないと思っていた。だけど、こんなにまでも危うい状況になっているというのに、黙っていられなかったの」とつづり、中絶反対派に対抗する「#ProChoice(選択派)」のハッシュタグを付けた。

 勇気を振り絞って「語りたくない」過去を告白し、中絶禁止法に断固反対したミラの投稿には、18万を超える「いいね!」が集まり、コメント欄には「シェアしてくれてありがとう」「共感する」などの称賛が書き込まれている。

 しかし、このニュースを報じた「Foxニュース」のコメント欄には「ミラが受けたのは、法案で禁止される中絶じゃないよね?」「ジョージア州は“医療的な問題があれば中絶は可能”と言ってるのに。感情的になって、その部分は読んでないんだろうね」「医療的な手術と、本人が希望して中絶するというのは違う話では?」と疑問視する意見が上がり、「リベラルは、人命を奪う銃の規制を叫ぶくせに、胎児の命を奪う中絶は支持するよね」「ハリウッドのみなさん、この手の話に本当に敏感に反応するよね。ジョージア州に住むつもりなんて、これっぽっちもないくせに」と冷ややかな意見も飛び交い、炎上へと発展している。

 リベラルなセレブたちが「このままだとアメリカが危険!」と声を上げる中絶禁止法案だが、保守派が大多数を占める南部ならではの問題だと静観するメディアも多い。とはいえ、人々が楽観視している間にキリスト教原理主義に国が乗っ取られてしまった『ハンドメイズ・テイル』のリアリティはすさまじく、同作を引き合いに出しながら国の行く末に危機感を募らせる人が日に日に増えているようである。

最終更新:2019/05/17 18:16
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