高橋ユキ【悪女の履歴書】

炭鉱に生まれた「白雪姫」、肥大した金と男への欲望【福岡スナックママ連続殺人・前編】

2019/05/03 19:00
高橋ユキ

親に可愛がられ、何不自由ない暮らしを送った幼少期

 志免町の目抜き通りで靴屋を営む両親のもとに1955年、裕子は生まれた。両親は商売上手なうえ、地主でもあり「何不自由ない暮らしで両親は子どもに甘かった」という。母親は炭鉱の街に似合わぬ垢抜けた女性で、地元でも目立つ存在だった。幼い裕子は「白雪姫」の名にふさわしい、大きな目の可愛らしい女の子。母親が選ぶ赤や白のワンピースが白い肌によく似合っていた。

「うちの裕子は○○の服しか着ないの」

 と、高級子ども服メーカーの名を挙げる母親も、高価な服に身を包み、地元住民とは一線を引いていた。教育熱心でもある母の元で育てられ、裕子は小学校からピアノを習い、中高一貫のミッションスクールへ進学。高校生になると、月に何度か東京へピアノのレッスンに通った。

「東京までいうたら、並大抵の費用じゃなかでしょ。ピアノは裕子ちゃんが小学校の頃に家に置いてあったとですよ。当時、この辺りでピアノがあるなんていったらすごいですよ」(地元住民)

 裕子はのち、武蔵野音楽大学に進学する。当初は器楽学科のピアノ専攻だったが、音大でピアノを究めるには、小学校4年からのスタートは遅すぎた。先生のそんなアドバイスを受け、途中から声楽学科に転向した。ここまでは、田舎育ちのお嬢様の順風満帆な人生と言っていいだろう。だがここから、裕子の欲望は徐々に肥大していく。

結婚2年で包丁を突きつけ「失敗だった」

 大学2年の裕子は、早稲田大学が主催した銀座でのダンスパーティに女友達と2人で出かけ、のちに最初の夫となる男性と出会った。慶應義塾大学商学部の学生だった鈴木克己(仮名)が、清楚で一際目立っていた裕子に一目惚れしたのだ。鈴木のアプローチが身を結び、やがて2人は交際を始めることになる。大学を卒業して1年後に結婚。商工会議所の会頭が媒酌人をつとめ、300人以上が出席する結婚式を挙げ、福島県郡山市にある鈴木の実家そばで新婚生活がスタートした。

 翌年には長女が誕生するが、姑はじめ親戚らの干渉から、裕子は何かと福岡に帰省し「ズーズー弁が移る」と親戚付き合いを避けるようになる。結婚から2年後、鈴木に包丁を突きつけ「この結婚は失敗だった」と福岡に帰ってしまった。鈴木も後を追い、2年間の期限付きで裕子の実家で暮らすことにした。しばらくすると裕子の両親の薦めと、頭金を出すという打診もあり、近くに家を購入し、長男も誕生した。

 ところが、鈴木は慣れない福岡での暮らしと、期限付きで移り住んだはいいが、家を買うことになったなどの事情から生活が荒れ、競艇やポーカーゲームなどのギャンブルにのめり込む。気づいた時には借金が膨れ上がり、それが原因となって離婚に至る。85年のことだった。

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