[コラム]K-POPタテ・ヨコ・ナナメ斬り

YGエンタ・BLACKPINK「Kill This Love」の楽曲性は一歩先を行く![K-POPレビュー]

――毎月リリースされるK-POPの楽曲たち。「この曲がすごい痺れる!」「なんか、このトラック好き!」の感情を別のK-POP曲につなげられたら、もっと楽しいはず! そこで、さまざまなジャンルのDJを経て現在はK-POPのクラブイベントを主宰するe_e_li_c_a氏が、K-POPを楽しみ尽くす“視点”をレクチャー。4月にリリースされた曲から[いま聞くべき曲]を紹介します!

いま聞くべき1曲‖BLACKPINK – Kill This Love


 もう説明不要かとは思いますが、YG Entertainment所属の4人組グループ「BLAKPINK」の新曲。YGといえば、ここ1カ月程はBIG BANGのV.I(スンリ)が、Drug Restaurantのチャン・ジュニョンをきっかけとしたさまざまな不祥事(「バーニング・サン」事件)に関わっていたことが明らかになり、会社としても脱税などが疑われています。しかし、そんな状況でも無理矢理、BLACKPINKをカムバックさせただけあるな、という楽曲になっていると思います。

 強そうなホーンの音から始まり、太いベースが追加され、ドラムで畳み掛ける。強い曲が来る!! と予感させるイントロが最高で、最後のサビ後のブリッジではマーチング調のドラムが響くなかロゼが歌い上げ、何度も繰り返す「Kill this love」のラインでは全員のボーカルと共にホーンが唸り、ドラムが追い打ちをかけ、そして最後はボーカルの「let’s kill this love」だけが残り、終わります。 曲の後は、その場が焦土になっているかのような圧倒さで、全体的に凶悪な雰囲気の曲調です。

 リリース後、アメリカのフェス「Coachella(コーチェラ)」へ出演して13曲を披露しましたが、セットも「Kill This Love」のMV冒頭に寄せられており、この曲のホーンが鳴り響いた瞬間の盛り上がりを、その場で体験したかったと思わされます。また、今までに比べて韻を踏む音に英語が多用され、歌詞をパッと見ただけでも英語が目に付きます。韓国語ネイティブでない人にとって英語部分は一緒に歌いやすいことから、今回展開されている北米でのプロモーションのことも考慮されているように思います。

 昨今K-POP男性アイドルはBTSを皮切りに次々と北米圏に進出していますが、楽曲の方向性に手探り感が窺える中、BLACKPINKは一歩先を行っているように感じました。

コンセプトがつながる曲‖Everglow – 봉봉쇼콜라 (Bon Bon Chocolat)


 Everglowは、3月にデビューした6人組ガールズグループで、『Produce48』に出演したキム・シヒョンやワン・イロンが在籍。所属事務所は、中国が本拠地の俳優やドラマ、映画方面に強い事務所・Yuefua(ウィエファ) Entertainmentの韓国支社(Yuefua Entertainment Korea)で、現在「IZ*ONE」で活動しているチェ・イェナも同じ事務所にいます。

 楽曲の雰囲気や方向性なども含め、同性の女性が憧れるカッコよさ、強さを感じるようなコンセプトを韓国では「ガールクラッシュ」と言いますが、「Kill This Love」や、この曲などもそこに当てはまるものかなと思います。ただ、私と楽曲の好みが似た方々から「Kill This Love」も「Bon Bon Chocolat」もあまり評判が良くなく、何が原因か考えたところ、 もしかしたら耳馴染みがない曲調だからなのかなと思いました。 これらの曲は、 2009年頃からのベースミュージックを参考にしていると感じたのですが、それらを通ってきていないのかもしれません。サビ前のクラップで畳み掛けるような感じや、クラップの「スパーン!」という響き、ドラムの打ち方に当時のベースミュージックっぽさを感じました。

 当時のHudson MohawkeやFlying Lotusなどを聞き慣れた人間からすると、この2曲を聞くと懐かしい気持ちになり、実際に私はBon Bon Chocolatが出たあとHudson MohawkeとFlying Lotusの曲をたくさん聞き返しました。

楽曲の面白さを広げる曲‖Hudson Mohawke – Chimes


 Hudson Mohawkeは、スコットランドのグラスゴー出身のプロデューサー、DJ、作曲家。12歳からPlaystationで曲作りを始め、14歳でDMC(DJの技術を競う世界大会)イギリス大会でのファイナリストとなり、若い頃から注目されます。この曲は14年にリリースされており、AppleのMacBook AirのCM楽曲として使われました。

 0:40頃から始まる太いベースは、まさに2曲の「ブオー」というベース音とそっくりです。また、Luniceとのユニット・TNGHTのこの曲など、ドラムの打ち方やベースが似ています。彼らやFlying Lotus、Rustieなどのアーティストは、はっきりとジャンルが振り分けられません。HiphopやElectronicなどさまざまなジャンルが入り混じり、また時期によっても曲調が違います。それゆえ、Warp Recordsなどの楽曲をリアルタイムで追っていた人以外は、なかなか出会えない曲調なのかもしれません。

 また、09年にリリースされたHudson Mohawkeの「Ooops!」は、02年にTimbalandがプロデュースしたTweetの「Oops (Oh My)」を丸々サンプリングしたもので、 彼がこの辺りのHip- HopやR&Bから影響を受けていることが良くわかりますし、 BLACKPINKの楽曲にはこのTimbaland節を感じる曲も多くあります。

<落選したけど……紹介したい1曲>
ENOi「bloom」:
デビュー曲なのですが、とにかく曲が良いから聞いて!!

<近況>
最近JYPへの想いが極まりすぎてJYP Mixなるものを作り、 台北までJUS2を見に行ったり、 台中にあるTwice・ツウィ母がやっているカフェに足を運んだり 、ソウルまでStray Kidsを見に行ってきました。 この原稿を書いた後、すぐにまたHiphopのフェスのために韓国に行く予定です。5月12日にはソウルのHyundai Card Understageという場所で開催される슬픔의케이팝파티(悲しみのK-popパーティ) というイベントでDJをします。 ここ1カ月は、自分が今どの国にいるのかわからなくなっています。

e_e_li_c_a
1987年生まれ。18歳からDJを始めヒップホップ、ソウル、 ファンク、ジャズ、中東音楽、 タイポップスなどさまざまなジャンルを経て現在K-POPをかけるクラブイベント「Todak Todak」を主催。K-POPを、楽曲的な面白さとアイドルとしての魅力双方から紹介する視点で人気を集める。

Twitter @e_e_li_c_a TodakTodak
mixcloud eelica

最終更新:2019/05/03 19:00
BLACKPINK/BLACKPINK ARENA TOUR 2018 “SPECIAL FINAL IN KYOCERA DOME OSAKA” DVD 通常盤
アジアの強い女、最高~!!

サイゾーウーマンのSNS

  • 「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

YGエンタ・BLACKPINK「Kill This Love」の楽曲性は一歩先を行く![K-POPレビュー]のページです。サイゾーウーマンジャニーズ(SMAPTOKIOKinKi KidsV6NEWS関ジャニ∞KAT-TUNHey!Say!JUMPKis-My-Ft2Sexy Zone)の最新ニュースのほか、ここでしか読めない裏芸能ゴシップなどをお届けします。女性誌レビューコラムインタビューなども充実! K-POPのニュースならサイゾーウーマンへ!