Sexy Zoneマリウス葉のジェンダー観「“女子力”なんて気にせず、ありのままの自分でいよう」がティーンの救いになる

2019/04/26 20:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 Sexy Zoneのマリウス葉による「女子力」という言葉をめぐる発言が、インターネット上で拡散している。

 マリウス葉の発言は、4月22日発売の「Myojo」(集英社)2019年6月号でのこと。新学年の始まりということで「スクールライフお悩み相談BOOK」なる小冊子がついており、King & Prince、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、ジャニーズWEST、A.B.C-Z、Snow Man、Travis Japan、SixTONESといったグループのアイドルたちが読者からの悩み相談に答えている。

 マリウス葉は、「女子力の低さ」に悩む13歳の女の子からの便りに答えた。相談者は、<友だちやクラスメイトから「女子力がない」と言われます。ガサツなのは自分でもわかっています(中略)休み時間にバカ笑いするのをやめたほうがいいですか? 女子力の上げ方がイマイチよくわかりません>という悩みを綴っている。

 この悩みにマリウスは、<女子力なんて古い! 男子も女子も関係なくありのまま生きて>と回答。「女子力」などという言葉や概念に惑わされず、自分自身を認め、愛することが大事だとアドバイスしたのだ。

<なんかさ、そもそも“女子力”っていう表現が、もう古くない? 今はそういう時代じゃないと思う。男子も女子も関係ないんだから、“女子だからこうしなきゃ”とか気にしなくていいよ! ありのままの自分でいることがいちばん。自信を持って堂々と生きればいいし、もし誰かに何か言われても、「自分のことは自分がよく理解してるから」ってキッパリ返せたらステキだよね>

 マリウスは続けて、相談者の<休み時間にバカ笑いするのをやめたほうがいいですか?>という質問に対しても、<バカ笑いだっていいと思う! その笑い方がきっかけで、いっしょに笑いたい友だちが増えたり、ひなちゃん(引用者注:相談者の名前)のことを好きになる人が現れたりするかもしれないし>と答えている。

 「男なら強くあるべき、女ならおしとやかであるべき」といった決め付けから解放されることを提案するマリウスのアドバイスは、読者である10代学生の心をほぐすだろう。

 相談の文面から察するに、相談者の個性は「明るい性格」であるはずなのに、世間が押し付ける規範を気にするあまり、大事なその個性を殺してしまいそうになっていた。マリウスのこの回答は、ひとりの女の子の人生を救ったともいえるかもしれない。

 この回答にSNS上では、絶賛の言葉が飛び交っていた。

<マリウスのジェンダー観については本当にいつも感心させられる……女子力なんて古い!と言いきる男性アイドルなかなか居ないよな>
<男子も女子も関係ないんだから〜っていうマリウスかっこいいな…さすがすぎる>
<女子力に苦められる女性や生きづらい世の中でどう生きていくかとかいつも平和や平等を考えてくれてるマリウスは本当にこれからの多様性社会で輝くアイドルだよ>

マリウス葉のジェンダー観
 マリウスがこのようにジェンダー論や、「多様性・自尊感情」の大切さを訴えたのは今回が初めてではない。

 2018年5月23日放送『Sexy ZoneのQrzone』(文化放送)でもこんな一幕があった。

 菊池風磨とマリウスが出演したこの回の番組では、リスナーから送られてきた、<好きな人のために女子力を上げようと思ったのですが、ふと、女子力とはなんなのか、女子である自分のことがわからなくなってしまいました。男性から見た女子力ってなんですか、教えてほしいです>という悩み相談のメールに回答していた。

 このメールを読んだマリウスは<女子力っていうワード自体がなんか……>と、「女子力」なる言葉自体への違和感を表明しつつ、<女子力って、結局、“美”を意識することじゃない?>と結論づけた。

 ただ、それは「女子」に限った話ではない。“美”を意識するのは男性も同じだからだ。

 マリウスは<最近ってやっぱりジェンダーレスだったりそういうのがあるからこそ、男性がメイクとか化粧水とか美容を意識するようにもなっている>とし、そのうえで<男性も男性でそれが普通になってきた>と語る。

 つまり、「女だから」「男だから」といった主題の立て方がそもそもナンセンスなのだ。

 その後、菊池が<ご飯つくるのが上手とかさ、洗濯をこまめにするとか、掃除ができるとか、それは女子力ではないんですか?>と、家事能力にまつわる「女子力」に関する質問をぶつけると、マリウスは<それは女子力だけど……>と口ごもる。

 世間的には家事が得意な人に「女子力が高い」という評価がつくことはマリウスも認識しているが、それでもやはり、「家事」と「女子」がイコールで結ばれていることへの疑問は拭えない。

 美容を意識するのが女性だけではないのと同じように、家事をするのも女性だけではないからだ。マリウスは自分の両親のことを例に出しながらこのように語っている。

<最近ではそれは女性だけの役割でもなく、家にいる男性だったり、そういう人もするし。僕のお父さんとかもね、逆にお母さんが仕事をしているから、お父さんの方がご飯つくる数が多いから。(でも)だからって、『お父さん、女子力高いね』っていうのも違う気がするけどね>

 「美しくありたい」と思うことに性別は関係ないし、家族の誰が家事をやるかということにも性別は関係ない。

 だから、「その人個人の個性」や、「家族ごとの事情」といったものをまったく勘案せず安易に「女子力」といった言葉が使われている状況にマリウスは一言もの申さずにはいられないのだ。

 このように多様性を重んじる発言を頻繁に行う男性タレントといえば、りゅうちぇるが筆頭にあがるが、マリウスの発するジェンダーに関するメッセージも、りゅうちぇると同じぐらい深く、強い。

 ジャニーズ事務所に所属するトップアイドルのひとりが、こういったリベラルな考え方を発露する。その影響力は大きい。彼の言葉に救われるファンも少なくないことだろう。影響力の強いタレントの活動は、社会を変える大きな力になるはずだ。

最終更新:2019/04/26 20:00

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