ファンが暴走

「アリアナのコーチェラのギャラは800万ドル」報道に、ビヨンセのファンが大激怒するワケは……

2019/04/22 18:10
堀川樹里
「アリアナのコーチェラのギャラは800万ドル」報道に、ビヨンセのファンが大激怒するワケは……の画像1
99kgからここまで戻すのがビヨンセ!

 4月12~14日と、19日~21日の2週にわたって開催されるアメリカ最大規模の野外音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル」(以下、コーチェラ)で全米が大盛り上がりしている17日。動画ストリーミングサービス「Netflix」で、昨年コーチェラのヘッドーライナーを務めたビヨンセを追うドキュメンタリー『HOMECOMING ビヨンセ・ライブ作品(以下、HOMECOMING )』が配信された。

 そもそも彼女は2017年にコーチェラのヘッドライナーを務める予定だったが、母体に大きな負担が生じる双子を妊娠したためドクターストップがかかり、「18年のコーチェラにはヘッドライナーとしてカムバックする」と宣言して、降板したのだった。

 『HOMECOMING』で、ビヨンセは、18年のコーチェラへの道のりが「二度とやりたくない」ほど険しかったと告白。双子を緊急帝王切開にて早産した際の体重は約99kg。キレのあるパフォーマンスをするために、厳しい食事管理をし、空腹を抱えながら激しいエクササイズをするなど死に物狂いで努力した結果、妊娠前の衣装を着て動けるようになったと明かした。弱音を吐きつつ、コーチェラでの完璧なパフォーマンスを堪能できる『HOMECOMING』は、世界中で大絶賛されている。

 そんな中、15日に米エンタメサイト「Variety」が報じた「今年のコーチェラのヘッドライナーを務めたアリアナ・グランデが800万ドル(約9億円)の報酬を受け取った」というニュースに、ビヨンセのファンが大激怒している。次々と大ヒット曲を飛ばし、YouTubeの再生回数やiTunes、Spotifyなどのストリーミング記録などを次々と塗り替えるアリアナだけに、このような高額出演料となったのだろうが、ビヨンセの出演料は300万~400万ドル(約3億4000万~4億5000万円)だったと伝えられているのだ。

 実は、この報道が流れる前日にアリアナが行ったコーチェラ1週目のパフォーマンスは、大不評だった。前半に90年代大人気だったボーイズバンド「イン・シンク」をゲスト出演させたが、バンドで一番人気だったジャスティン・ティンバーレイクは登場せず。アリアナとよくコラボをするニッキー・ミナージュもゲスト出演させたが、マイクから音が出なかったり、イヤーモニターから音が聞こえなかったりと技術的な問題が発生したため、2人の息は合わずボロボロ。P・ディディをラッパーとしてサプライズ出演させた際には、歌声とバンド演奏の音程が合わず。米大手紙「ロサンゼルス・タイムズ」から酷評され、ネットでも「去年のビヨンセに比べるとマジで最悪」といった悪評が目立った。

 あまりにも厳しい批評に、当初は「ビヨンセと比べる方が酷だ」と同情も集まっていたのだが、ビヨンセの倍もギャラをもらったという報道が拡散されると、一気に形勢不利に。『HOMECOMING』配信後は、ビヨンセのパフォーマンスがいかに素晴らしかったのか比較しやすいこともあり、ツイッターでは「これは黒人差別だよね」といった意見まで飛び交い、炎上騒ぎへと発展していった。

 19日になると、米芸能誌「People」などが、「『ビヨンセの報酬は400万ドル』というのは1回あたりの額であり、2回パフォーマンスしているからアリアナと同じように800万ドルを得た」と報道。しかし、この報道にもビヨンセのファンは「同じ価値があるとは思えないのに」と不満を隠せないようだ。

 20日、米ニュースサイト「TooFab」が、昨年のコーチェラで金曜日のヘッドライナーを務めたザ・ウィークエンドが800万ドル以上の報酬を受け取っていたようだと報道すると、今度は「男女差別」だという声が上がるように。昨年ビヨンセは土曜日、エミネムが日曜日のヘッドライナーを務めたため、「白人かつ男性のエミネムはさらに高額だったのでは」といった臆測が広まっており、今度ますます炎上しそうだ。

 ビヨンセは、『HOMECOMING』を独占配信している「Netflix」から高額契約金を受け取っているはずで、もしコーチェラの報酬が400万ドルだったとしても、トータルで稼ぐ額は800万ドルを軽く超えるだろう。ファンもそれは百も承知なのだが、それでも「若手のアリアナがビヨンセの倍の報酬をもらったという報道が流れること自体が許せない」と、怒りが抑えられないようだ。

 黒人女性アーティストとして初のコーチェラ・ヘッドライナーを務めたビヨンセは、昨年のコーチェラ後、「Homecoming奨学金プログラム」を立ち上げ、黒人学生が多く通う大学への寄付を開始。公私共に充実している彼女自身は他アーティストの報酬額など気にも留めないだろうが、ファンのモヤモヤは当分続きそうである。

最終更新:2019/04/22 18:10
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