【連載】モンペと呼ばないで! ~怒れるママたちの叫び~

卒園対策委員はつらいよ……謝恩会、アルバム作成でトラブルも「幼稚園に言えない」と悩むママ

2019/04/10 16:30
池守りぜね

謝恩会の会場が取れずピンチ……追加徴収に未納トラブルまで!

 都内にある私立幼稚園に5歳になる男児を通わせている美幸さん(仮名)は、上の子が卒園した2年前をこう振り返る。

「謝恩会の幹事を担当しました。その年は、初めて委員をする人が多く、また全体会議でも『前年度と同じ店で良い』という意見が多数だったので、油断して店の予約に出遅れてしまいました。調べると、同じ日にすでに他校の謝恩会の予約が入っており、希望の会場や店の予約が全然取れず、結局ホテルのパーティー会場を利用したため、予算内では収まらないことに。親子参加で会費が6,000円ほどになって、保護者の中からは『高い』というクレームが出ました。中には、謝恩会当日まで支払いを渋る保護者もいて、数人で『まだ払っていないですよね』と詰め寄るなど、とても苦労しましたね」

 普段から保護者参加の行事が多いような幼稚園の場合、謝恩会から始まり、卒園アルバム、記念品の制作、先生へのお礼や花束など総額5万円前後の負担になるケースもあるそうだ。そのため、卒対の母体となる父母会では、年長の1年間の間に、数回に分けて積み立てを行って保護者の負担を減らしている。それでも、美幸さんのエピソードのように、希望の会場が借りられず追加徴収が発生することも。美幸さんは2年前の経験を踏まえ、今5歳になる次男の卒園では、予定よりも多めに予算をよけておこうと考えている。

「子どもを入園させた時には、卒園時にそのような出費が必要だとは思ってもいませんでした。もともと謝恩会や卒園に関することは父母会が仕切っている場合が多いため、入園時には園側が詳しく説明できないのかもしれません。お金が絡むことですし、もっと園側も状況を把握して、入園時に説明をしてほしいものです」

 親側が、入園前に知りうる情報にどうしても限りがあるため、入園後に園側との相違が生じるのかもしれない。

 子どもたちが長い時間を過ごす幼稚園や保育園。保護者が、先生への感謝をこめた謝恩会を開くことはとても意義のあることだが、問題は山積みだ。保護者は、オフィスワークのように、謝恩会に掛かる費用や時間の負担を分担できる仕組みを整備することが必要だろう。また園側も、保護者側との役割分担を明確にすることで、少しは保護者たちの不満も解消されるのかもしれない。
(池守りぜね)

最終更新:2019/04/10 16:30
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