インタビュー

羽生結弦「負けは死も同然」発言、強靭なメンタルは諸刃の剣か? 精神科医が語る「懸念点」

2019/04/06 16:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

喪失体験と向き合い続けて鬱にならずに済んだ

 こうした羽生選手の性格やメンタル面は、アスリートや芸術家が一流になるための必須条件だと、片田氏は言う。

「やはり『負けてもいいや』といった気持ちでは、決して一流にはなれません。『負けず嫌い』と『完璧主義』こそが、羽生選手の強さを支えていると言えるでしょう。しかし、それは諸刃の剣とも言えます。勝ち続けていられればいいのですが、そうはいきません。今回のように、負けてしまうこともある。そうすると、負けず嫌いゆえ、敗北を受け入れられず『うつ状態』になってしまう恐れがあります。また考えすぎて、身動きが取れなくなってしまうかもしれません」

 「うつ状態」は、本人が自覚しているかどうかは別として、「喪失体験」によって引き起こされるという。羽生選手にとっての喪失体験は、試合での敗北やケガだといい、「しかしこれまでは彼は、 “人より練習すること”でそれを乗り越え、『うつ状態』にならずに済んだ」と考えられるそうだ。

「人は喪失体験に直面すると、最初は『まさかこんなことになるはずがない』と否認するものですが、つらいからといってずっと目を背けてばかりはいられません。逃げてばかりいると、のちのちツケが回ってくる可能性もあり、お酒や薬物に溺れる人もいます。その点、羽生選手は凡人ではないので、しっかりと『なぜ負けたのか』『どうすれば勝てるのか』を考え、人より練習に励むことで、喪失体験を乗り越えてきたのでしょう。ただ、今後は年齢的な問題もあり、練習をすればするほど故障しやすくなりますし、ドクターストップがかかる可能性も否定できません」

 人より練習するという喪失体験の乗り越え方が通用しなくなる――そうなれば、羽生選手が抱える葛藤は、想像を絶するものになると予想されるが、片田氏は、彼が尊敬する、一昨年に現役を引退した男子フィギュアスケート選手、エフゲニー・プルシェンコ氏の言葉が、突破口になるのではないかと考えるそうだ。

「プルシェンコ氏がインタビューで、『ほかの選手に勝とう勝とうと思ってしまい、その自分に負けた』と言っていたんです。そして何より印象的だったのが『自分が何のために滑るのかが大事』という言葉。もちろんほかの選手に勝つことは重要ですが、ネイサン・チェン選手という才能あふれる若い選手が出てきたこと、また羽生選手の故障や年齢のことを考えると、今後、彼が勝てなくなる確率は今まで以上に高まるでしょう。そのとき、『何のために滑るのか』『スケートによって何を伝えたいのか』をもう一度考え直してほしいと思います。1位かそれ以外かという『ゼロかヒャクか』の考え方ではなく、別の視点を持つべきです」

 また、マスコミや羽生選手を応援する側が、金メダルを期待しすぎるのも問題だという。成績うんぬんではなく、彼のスケーティングから何を感じ取るかが大事と、片田氏は助言する。

 羽生選手は、4月開催の『世界フィギュアスケート国別対抗戦2019』を、右足首のケガのため欠場を発表し、「1日も早くケガを完治させ、来シーズンに向け練習に励みます」とコメントしている。羽生選手が、フィギュアスケートを心の底から楽しめる……そんな瞬間が来ることを、ファンならずとも祈りたいところだ。

最終更新:2019/04/06 16:00
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