インタビュー対談【前編】

「出産動画に恐怖」「教科書を音読するだけ」日本の性教育は、どのように“遅れている”のか?

(左)のじま なみさん(右)西出 博美さん

 世界に引けを取っていると言われ久しい日本の性教育。2018年には、足立区の中学校で行われた性教育の授業を都議が不適切だと批判、物議を醸していた。

 しかし、最近になって少しずつ変化の兆しも見られる。3月28日には、東京都教育委員会がおよそ15年ぶりに「性教育の手引」を改訂。中学校で避妊法や人工妊娠中絶など、文部科学省策定の学習指導要領を超える性教育を条件付きで容認する姿勢を示した。

 とはいえ、性教育の定義は幅広く、定石の指導も教材も確立されているわけではない。だからこそ、目指すべき性教育の在り方を巡る議論に意味があるはずだ。

 そこで、家庭でできる楽しい性教育を伝える「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」の代表理事で性教育アドバイザー・のじま なみさんと、「“家族”という概念を越えて、子どもと暮らすことを楽しむ社会に。」をミッションとし、妊婦さんから話を聞く機会を提供する活動を主に行っているNPO法人「ぱぱとままになるまえに」代表理事の西出 博美さんに語っていただいた。

――現在、未成年を取り巻く「性」について、環境面をどのように見ていらっしゃいますか?

のじまなみさん(以下、のじま) やはりネットの浸透が著しく、3~4歳くらいからエッチな動画を見だす子どももいます。子どものなりたい職業の上位にYouTuberが挙がるほど、ネットが身近すぎる時代です。たとえ、ご家庭で見せなくても、小学生になって友達の家に行った際、スマホやパソコンが必ずあるため、エッチな動画を見るケースも頻繁に起きはじめます。

 子どもの性に対するハードルがぐっと下がり「やってみたい」と興味喚起されたときに、ネットの性産業は「コンドームをちゃんと付けましょう」なんてことは教えてくれません。こうした環境について、潜在的な不安を持つ親御さんはたくさんいます。

西出博美さん(以下、西出) じゃあ学校で性について教える環境が整っているかという意味では、疑問に感じたことがあります。私たちの活動の一環で、妊婦さんの話を小学生が聞く機会をつくらせていただいたときに、子どもたちから妊婦さんへの質問を募集したのですが、先生が質問を見て性に関連しそうな質問を何個か省いたんですね。結果として「子どもの名前は決めていますか?」とか、当たり障りない質問が残りました。何で触れないのかなと思うと同時に、学校の性教育って難しいんだなって思いました。

のじま 保健体育の授業があるわけですし、親としては性についてもしっかり学校で教えてもらいたいですよね。とはいえ、私自身も学校で性教育について習った覚えがほとんどなく、教えてもらったのは生理くらいかな……程度です。科学的に教えないからこそパンドラの箱を開けたい子どもたちが、ネットで検索してしまうんですよね。

西出 私は、中学2年生時の家庭科の先生が熱心で、出産の動画を見せてくれたんです。でも、妊婦さんが叫んでいて痛そうだし、「出産こわっ」と思いましたね。先生としては出産のリアルを伝えたかったんだと思いますが、「妊娠、出産は大変そう」と感じさせるだけでは、抑止的な効果はあっても、子どもを産む喜びを知る機会が損なわれてしまうんじゃないかなって。

のじま 私は看護師だったので、出産の現場は何度も目にしましたけど、医療経験がない人からすると子どもじゃなくても怖いに決まっていますよね。ほかの学校でも中絶シーンを見せるケースもあります。そうすると、当然ながら恐怖のバイアスがかかるんです。でも、性ってそれだけでは語れません。例えば、「恋って何なの?」という話をしても良いと思うんですよ。

お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!
生理についての授業も怖かったなぁという思い出

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