知られざる女子刑務所ライフ61

ピエール瀧さん、逮捕はクスリをやめるきっかけ! 元女囚が語る、コカインと覚せい剤の違い

2019/03/24 16:00
中野瑠美
ピエール瀧

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■覚醒剤ではなくコカインなのに驚き

 びっくりしましたねー、ピエール瀧さんの逮捕。ニュースによると、瀧さんは、私が大好きな清原和博さんの大ファンでもあったそうです。なんと同い年で、子どもの頃は野球少年。「ピエール学園」(笑)ゆう野球チームも持ったはるそうです。

 でも、何も後追いっぽく薬物で逮捕(パク)られなくても……と思っちゃいますよね。それに、覚醒剤ではなくコカインなのにも驚きました。ニュースでは、瀧さんは「20代の頃からコカインと大麻を常用していた」そうです。そんだけ長い間クスリやってバレずに仕事してたとは、むしろたいしたもんや……との意見もありますが、取り調べの話は警察のリーク情報ですよね。そもそもホンマなんでしょうか?

 清原さんもASKAさんも、「マスコミには事実でないことをいっぱい書かれた」と出てきた後に話してたみたいですから、これも、もしかしたら違うかもしれませんよ?

■覚醒剤とコカインの大きな違いはアレ

 さて、覚醒剤とコカインの違いとは何でしょうか? 大きく分けると、使うとハイになる「アッパー系」という点では同じです。ちなみに使うと落ち着く「ダウナー系」はヘロインやモルヒネで、大麻はどちらにも作用するといわれています。

 日本ではコカインは少しずつ増えてるようですが、実際にはほとんど入ってきてません。第一の理由は、単純に高いから。売人にもよりますが、覚醒剤の3倍はします。覚醒剤がグラム2万円やったら、6万円。まあお高いですよね。

 だからコカインでパクられるのも田代まさしさんとか勝新太郎さん、角川春樹さんのほか大物が多いです。あとはパリス・ヒルトンとかホイットニー・ヒューストンとか、海外セレブですよね。

 もうひとつの違いは、効き方です。覚醒剤に比べてマイルドなんですよね。実は私も大昔にコカインを試したことがあります。ホンマに大昔で、「(効き方が)イマイチやなあ」というのが実感でした。ただ、血管がシュワシュワする感じは覚醒剤にはないですね。なんかコーラみたいですが、そういえば昔はコカ・コーラの原材料にコカインの成分のコカの葉が使われてたそうですね。今回初めて聞きましたが。それに、持続時間も短いし、吸引後にすぐに鼻を洗わないと、鼻の中がただれちゃいます。けっこう邪魔くさいんですよ。もしかすると瀧さんは、本番前にシュッと吸って、気合を入れてたのかもしれませんね。

 ちなみに、これも大昔ですが、ヘロインも使ってみたことがあります。でも、顔色が悪くなるので、すぐにやめました。お肌が黒ずんできてシワが目立って、ババアというよりゾンビみたいになってました。逆に覚醒剤は顔色がよくなって、自分がキレイに見えるんです。今思えば妄想なんですけど、当時は「やっぱりシャブは、美人さんになるな。浮気せず、シャブ一筋でいこう」って仲間と言うてました。

■逮捕でクスリから離れられる

 私もそうでしたが、シャバではクスリはまずやめられないです。瀧さんも、逮捕されてほっとしたと思いますよ。逮捕で、やめる決心がついたのではないでしょうか。

 毎日、「今回でやめよう」って思いながらやめられない。その繰り返しでした。やめるには、物理的にクスリから離れなあかんのです。

 清原さんもでしたが、瀧さんにはたくさんのファンがいて、一時的には失うものは多いでしょうね。でも、またゼロからがんばってほしいです。そういえば3月6日に開催された厚生労働省の薬物使用防止イベントには、清原さんがサプライズゲストで登場して、めっちゃ拍手が起こったそうですね。私も行きたかったなあ。瀧さんのファンも、ずっと復帰を待ったはると思いますよ。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」

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最終更新:2019/03/24 16:00
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