【連載】ホス狂いのオンナたち

ホストに月200万円使う女は、どんな接客を受けるのか? 究極の接客「本営」の実態

2019/03/23 17:00
せりな

ホストとホス狂い、実は「金の切れ目が縁の切れ目」ではない

 それからまたしばらくして、アミと担当ホストは「別れた」。一緒に暮らしているうちにお互いに不満が溜まっていたそうだ。つい先日アミに会ったが、今彼女はまた違うホストとの「店外デート」を楽しんでいる。

 このアミのエピソード。私の知っている「本営」のなかでは、始まりから終わりまで、割とオーソドックスな流れを踏んでいる。知り合って仲良くなり、二人きりで会う回数が増え、交際が始まる。一緒に住んで、いつか別れる。普通の恋人同士のような、接客だ。

 穿った見方をしなくとも、一般的な感覚で見れば、「はいはい、ただの営業営業」で片が付くエピソードだろう。でも、私はそう見たくはない。多くのホス狂いは「本営」つまり「営業」であるということなんてわかっている。ホス狂いは、そんなことは百も承知の上で「本気」でホストに狂うのだ。

 この「本営」の終わりだが、みなさんが想像するように、金の切れ目が縁の切れ目を地でいく世界なのかといわれれば、実はそうでもない。別れたからといって、エースではなくなったからといって、二度と顔も合わさないわけではないのだ。たまに連絡を取り合うこともあって、お互いの近況を確かめ合ったりする。どうだ元気にしているか? とお互いの体調を気にかけたりもする。たまに飲みに行って、今の「本営彼氏」について相談したり。もちろん、そこにシャンパンやら大金は介在しない。

 これを見て、なにかに似ていると思わないだろうか? そう、普通の別れたカップルと何も変わらないのである。なんなら、割と円満に関係を終了したカップルだ。ホストとホス狂いだって、実は堅気の彼氏・彼女の関係となんら変わりはしないのだ。少なくとも、私はそこに大きな違いを見いだせない。いや、わざわざ見いだす気もない。

せりな
新宿・歌舞伎町の元風俗嬢ライター。『マツコが日本の風俗を紐解く』(日本テレビ系)で、 現役時代のプレイ動画を「徹底した商業主義に支配された風俗嬢」 と勝手に流されたが、 ホストに貢いでいたのであながち間違いではない。その他、デリヘル経営に携わるなど、業界では知られた存在。 現在も夜な夜な歌舞伎町の飲み屋に出没している。
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【バックナンバー】
第1回:歌舞伎町の元風俗嬢が語る、愛しき“ホス狂い”たち――「滑稽だけど大真面目」な素顔
第2回:担当ホストに月200万円……OLから風俗嬢になった女が駆け上がった「ホス狂い」の階段
第3回:容姿や年齢より「使った金額」! ホス狂いたちが繰り広げる、担当ホストのエースをめぐる闘争
第4回:Twitterで「担当ホストの本命彼女」を暴露!! ホス狂い界隈を絶望させた“ある女の復讐劇”

最終更新:2019/10/24 18:45
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