何かと話題のZOZOですが……

ZOZO「3つのしくじり」! 有名ブランドとユーザーを「ガッカリさせた理由」とは?

2019/03/16 14:00
南充浩

3.クールなサイトのはずが……「低価格サイト」に変貌

 筆者がネット通販を使い始めたのは2015年頃からなので、ごく最近のことです。ファッション好きだけがZOZOTOWNを利用していた当時の雰囲気はわからないものの、ファッション好きは口をそろえて、「昔はクールなサイトだった」と言います。しかし、今はどうでしょう。ARIGATOもさることながら、各ブランドが毎日のように割引クーポンを発行していますし、トップ画面に「最大〇%オフ」と表示されることも増えています。最近のZOZOTOWNしか知らない者からすれば、割引販売サイトにしか見えません。

 昔は商品の画像や露出もブランドの世界観を優先してくれたECモールであり、それに向けて担当者との打ち合わせも綿密だったと言われています。また、ZOZOの営業マンの口説き文句も「われわれは安売りしません」だったそうです。

 しかし、あるブランドのEC担当者によると、「今は、コーディネートもモデルもポージングも画一的。画像は極力メーカーが用意する風潮が強まったし、ほぼ毎日のように安売りクーポンが発行されている」とのことで、すっかり変貌してしまったといえます。

 一定水準にまで達した企業規模を、さらに拡大しようとすると、大衆の取り込みが必要ですから、その手段としては「安売り」が不可欠になります。ユニクロだって低価格品を販売したからこそ、ほとんどの人が買うようになり、国内売上高8000億円に到達したので、施策としては間違ってはいません。しかし、それは「カッコいい」とか「ファッショナブル」とかとは、かけ離れていくことを意味します。昔とはすっかりサイトのイメージが変わってしまい、そこに出店ブランドが失望しているという側面は否定できないでしょう。

 このほか、前澤友作社長が2月上旬、「いまお店で約1万円くらいで売られている洋服の原価がだいたい2000~3000円くらいだということを、皆さんはご存知ですか?」と2月上旬にツイートした(削除済み)ことも業界や消費者からの反感を買いました。このツイートに対し、実は一般ユーザーが「その売上の3割もZOZOがとっていることを知ってましたか?」とリプライしており、結果、ZOZOのイメージダウンにしかなりませんでした。また、論理的に考えても、ZOZOだって自社企画製品を販売しているわけですから、「ならZOZOの原価も提示しろよ」とブーメランを食らうことになってしまいます。「前澤社長は、アパレル企業がARIGATOサービスの値引きに無理解だということにイラ立ち、あのツイートをしたのではないか」といった論調もありますが、それだけではないでしょう。この時期は最も株価が下がっていた時期なので、それに対するイラ立ちの方が大きかったのではないかと、筆者は推測しています。

 前澤氏が所持する株数は、ストックオプションにより付与された新株予約権を除くと 112,226,600 株で、そのうちの97,408,100株が金融機関に担保として差入されています(2月12日現在)。株価が下がりすぎることは精神衛生上良くないのだと考えられます。

 これらの不安要素を抱えて、今後、ZOZOはどのような舵取りをするのでしょうか。
(南充浩)

最終更新:2019/03/16 14:00
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