「元極妻」芳子姐さんのつぶやき46

“居場所”がない元ヤクザたちの行き着く先は? 元極妻が考える「ヤメ暴」問題

2019/03/03 16:00
待田芳子

やっぱり多いヤクザの自殺

 建設業のような3K職種は、適性もありますから、みんながみんなできるわけではないですよね。お仕事ができれば更生の余地もあるのですが、現実は厳しいです。

「姐さん、最近、○○の親分と連絡取ってます?」

 先日、亡きオットの元若い衆から聞かれました。この親分はオットとも兄弟分で、昔はよく一緒にゴルフや海水浴に行っていたのです。

「そういえば、しばらく音沙汰ないわー。でも、お互いに用事ないと連絡しないもん。お葬式とかさ」
「普通そうですよね……。なんかシノギがきつすぎで、うつ病になってるらしいです」
「そうなんだ……」

 うつになるヤクザや元ヤクザは、意外に多いんです。もともと不器用な寂しがり屋さんが大半で、シノギとかうまく回っている時はいいんですが、いったんダメになると、どんどん悪い方向へ行ってしまうのです。

 「抗うつ剤や向精神薬を多めにもらって、転売してシノギにしよう」とかハシャいでるうちはまだいいんですが、実際はとても苦しんでいます。そして、最期は死を選びます。拳銃を使うのはもちろん、ガソリンをかぶって火をつけたり、クルマごと海に落ちたりと、悲惨な結末をさんざん聞いてきました。

 ヤクザが「いい人」のわけはないのですが、昨今の過剰な暴力団排除は、ヤクザの居場所をどんどん奪っています。たとえば「今年はヤクザの構成員は前年比で○人減少」などと毎年報道されますが、減った人たちはどこにいるのでしょうか? 再就職ができるのはわずかですし、自殺者を除けば、大半は新たな「居場所」を求めて、新たな犯罪に手を染めているのです。

最終更新:2019/03/03 16:00
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