仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

英国王室・メーガン妃、悲痛な“父親への手紙”に考える、「娘の足を引っ張る親」の胸中

2019/02/14 21:00
仁科友里

メーガン妃が指摘した父親のウソ

 結婚後も、「うちの娘ったら連絡もくれない、冷たいでしょ」などとワイドショーやマスコミに連呼する父親に対し、現在妊娠中のメーガン妃の健康を気遣った親友たちは、匿名を条件にアメリカの雑誌「ピープル」に、メーガン妃が父親に手紙を送っていたと告白。それを受けて、父親がその手紙を公開した

 意訳すると、メーガン妃は父親の行為に心がずたずたになったこと、誰かに操られているかのような行動が理解できないとした上で、父が話す金銭に関するウソにも触れている。

 「You’ve said I never helped you financially and you’ve never asked me for help which is also untrue, (お父さんは、私にお金やその他の助けを求めたことがないと言っていたけど、それもウソ)「I have only ever loved, protected, and defended you, offering whatever financial support I could(私はあなたのことを愛し、守り、擁護し、できるだけの経済援助もしてきた)」と書いている。メーガン妃はきっと、ずっとお父さんに対し、愛情と誠意を持って接してきたのに、お父さんあなたはどうして……と思っているのだろうが、この2箇所を読んで、私は腑に落ちた気がした。父親は、これまでカネを送ってきたメーガン妃を手放したくない、だから足を引っ張るような真似をしてでも気を引きたいのだろう。ましてや嫁ぎ先は王室である。うまくいけば、メーガン妃からもらうより、多額のカネをひっぱれると思っているのではないか。

 親が子どもからカネを引っ張るということが信じられない人もいるだろうが、実はそう珍しいことではない。例えば、山口百恵さんの『蒼い時』(集英社文庫)によると、父親は別に家庭があり、百恵さんを認知したものの、家庭には1円の生活費も入れなかった。しかし、百恵さんがスターになると豹変、親権を要求してくる。もちろん、一緒に暮らしたいという気持ちからではなく、カネのためである。週刊誌に“出生の秘密”として自分との関係を売り込み、百恵さんに内緒でプロダクションに借金をし、ほかのプロダクションからは移籍料と称してカネを受け取っていた。自分が入院したときは、マスコミを呼びつけて、娘に会わせてもらえないとかわいそうな父親を演じて見せた。結局、百恵さんが手切れ金を渡すことで関係を切ったそうだ。百恵さんに限らず、親にたかられる芸能人は多いが、一度大金を手にしてしまうと、たとえ自分の子どもであっても味をしめてしまう部分があるのだろう。

 メーガン妃に話を戻そう。恐らく、話せばわかってくれるはずとメーガン妃は思って手紙を書いたのだろうが、こういう人には言っても無駄である。関わりを持ったことをまたマスコミに話し、取材費としていくらもらおうかぐらいしか考えていないと言ったら、言い過ぎだろうか。

 メーガン妃は現在、懐妊中。彼女の家族は、ヘンリー王子と、生まれてくるロイヤルベビー、それとエリザベス女王たちであり、実家の家族は忘れた方がよい。メーガン妃が心安らかに出産されることをお祈りする。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2019/02/14 21:00
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