【特集:子宮筋腫になったら?】

切らない手術より「子宮全摘出」が推奨されるワケ――「子宮筋腫」、婦人科医に聞く治療の選択肢

2019/01/12 19:00

注目されるUAE、ただし「子宮全摘出」よりもガイドラインでは下

瀧 「UAE」は日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会が出している産婦人科診療ガイドラインにおいて、子宮筋腫の治療法において、現在3番目に上がっている治療法です。以前は5番目でした。

クリックで拡大表示

――2と3を比較すると、子宮摘出よりUAEは下なんですね。ガイドラインに沿えば、より上位で「子宮摘出」が選ばれることになります。

瀧 子宮摘出を何とかして避けたくて、ネットで調べて当院にいらっしゃる患者さんは多いですね。費用面でいうと、UAEは2014年から保険適応になり15万円です。基本的に全ての患者さんが保険適用です。尚、UAEは高額医療に該当し、還付金が受けられますので実際には8~10万円の出費ですね。

――UAEの手術後、壊死した子宮筋腫が膣から落ちてくる、というケースもあるとか。

瀧 筋腫の位置によっては、そういった壊死した子宮筋腫が膣から出てくる「筋腫分娩」になるケースもあります。ですが、このケースは限られており、粘膜下筋腫(子宮の粘膜に飛び出ている筋腫)がほとんどですね。

――どういった形で出てくるんでしょうか。

瀧 子宮口でつっかかることもありますが、患者さんの自力で出てくるケースもありますよ。6センチ以下の筋腫であれば出産経験ありなしかかわらず問題なく出てくると思います。出産経験者だと10センチぐらいまで出ますよ。

子宮筋腫 (よくわかる最新医学)
4人に1人は筋腫持ちだから他人事じゃない!
アクセスランキング