【連載】モンペと呼ばないで! ~怒れるママたちの叫び~

「野菜中心」「バラン禁止」幼稚園の弁当チェックに悲鳴! 園の教育方針とぶつかるママたち

2019/01/08 17:30

弁当の中身チェックに、毎日憂鬱な気分に……

 古くからある私立保育園や、小学校受験をする園児が多い幼稚園などでは、ベテランの先生による行きすぎた指導が、保護者間で問題となっているという。

 独自の教育方法で人気のある幼稚園に3歳になる娘を通わせている幸恵さん(仮名、40代)は、こう語る。

「この幼稚園には、外国人講師がいたり、しつけやルールに厳しいところが気に入って、娘を入れました。運動会での組体操や、1年に1回の制作発表は、ほかの幼稚園と比べるとクオリティの差は歴然。問題だったのは、昼のお弁当。食育に力を入れているため、冷食と呼ばれる冷凍食品を使うのがNGだったんです」

 入園説明会では、昼は弁当持参だが、用意できない場合は園が契約をしている業者の弁当を依頼することができるとの説明だった。しかし、入園をしてみると、業者の弁当を利用する保護者は皆無で、自宅から持ち寄った弁当を食べている園児が大半を占めていたという。

「入園したい一心で、毎日の弁当作りのことはあまり考えていなかったんです。入園したばかりの時には、ウインナーやハムというような加工食品が多いことを、ベテランの先生から遠回しに『お野菜中心にしてください』と言われました。また、子どもが弁当を振り回してご飯が寄ってしまったようで、バランを使って仕切りをしたら『全て食べられるもので、仕切ってください』と……ピック(串)までダメだそうです。そこまで弁当の中身を見られているとは思わず、卒園までの2年間が長く感じています」

 幼稚園の場合、保育園とは違い、保護者は園の方針に納得したうえで入園するものだ。そのため園側は、「保護者もうちのやり方に理解を示している」と理解しており、その上で指導を行っているのだろう。幸恵さんにとっては苦痛でも、弁当作りが生きがいというママ友がいるため、周りに弱音も吐けないという。

「園長は、保護者会などで戦争経験を語ることがあります。『食べ物の大切さ』を問うのはわかるのですが、いくら専業主婦とはいえ、弁当の中身まで毎回チェックされると、転園しようか悩んでしまいますね……」

 反対に、ベテランと呼ばれる保育士たちも、保護者との育児方針の違いに、困惑している。夫婦で認証型保育所を運営している橋本さん(仮名)は、ネットなどで見た情報を鵜呑みにして、保育にクレームをつけてくる保護者が増えたという。

「5歳児クラスの保護者から、『読み書きや整列、体操座りでじっと話を聞くなど、小学校に入る前の準備を、なぜもっと早くやってくれないのか』という申し出がありました。基本的には、『こうしなさい』と園児に押し付けるような教育はしていないので、『自発的に読み書きもできるようになってもらいたいから、個別指導は行っていない』と伝えたのですが……。それでも納得がいかなかったようで、きっぱり『うちの園は設立して30年以上たつため、特に教育方針を変えるつもりはない』と言ったら、その保護者から役所の方にクレームが入っていました」

 保育士不足が叫ばれて久しいが、若手から年配の世代まで、それぞれ育児経験の有無にかかわらず、子どもをフォローできるような余裕のある体制が整えられれば、保護者側の不安も、園側の負担も少しは解消されるだろうが……。
(池守りぜね)

最終更新:2019/01/08 17:30
バラン両山形1号 1000P OF-44
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