おおいウィメンズクリニックの大井隆照院長インタビュー

20代にも増加! 「プレ更年期」だと思ったら、どうすべき? 婦人科医に聞いた

2019/01/04 16:00

プレ更年期の症状のなかには、治療が必要な病が隠れている可能性も…

 ホルモンの変動やストレス、自律神経の乱れなど、さまざまな要素が絡み合い発症するプレ更年期。誰しも発症する可能性があるものの、なかには「治療が必要な病気」が隠れているケースもあるという。

「プレ更年期の症状は、うつ病や不安障害などの精神疾患、甲状腺機能の異常や貧血などで、ほかの疾病にも似た症状が表れるため、油断は禁物です。人それぞれにプレ更年期の症状が異なるので、明確な診断を出すのが難しいのが実情です。しかし、医療機関に行き、治療が必要な病気が隠れていないかを確認するのはとても大切。それぞれの症状に応じた診療科を受診するか、婦人科や女性外来を受診すると間違いないかと思います」

 原因不明の体調不良や強い不安を感じているときには、その症状を医師に伝え、総合的に身体評価をしてもらい、適切なアドバイスを受けることは治療の第一歩となるそう。

「プレ更年期が疑われる場合の治療では、漢方薬の服用のほか、ホルモンバランスの変動が影響していれば、低用量ピルの服用が効果を表すこともあります。また、症状や不安を医師に傾聴してもらいアドバイスを受けるだけでも、精神的に安定して症状がやわらぐことがありますね」

 そして、プレ更年期の改善や予防には生活習慣の見直しがポイントだという。

「何より食事や睡眠をしっかり取り、適度な運動をして規則正しい生活を送るのが理想です。1日のうちでリラックスできる時間をつくり、ストレスの緩和を心がけましょう。また、信頼できる医師の診察を定期的に受けることもプレ更年期の予防につながります」

 体の不調はもちろん、精神的にも追い詰められるプレ更年期。ひとりで悩まず、少しでも不安を感じたときは医師に相談するのが得策のようだ。
(真島加代/清談社)

大井隆照(おおい・たかてる)
昭和大学医学部を卒業後、静岡済生会総合病院、国立がん研究センター中央病院を勤務後、平成28年、横浜市におおいウィメンズクリニックを開院。「地域に密着した医療」「トータルな診療」を心がける。
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最終更新:2019/01/04 16:00
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