【連載】庶民派ブランドの落とし穴

ZOZOが抱える“3つの地雷”! 「ゾゾスーツ」のつまずきと、「ゾゾヒート」のいまさら感

2018/12/22 17:00

2.オーダースーツがいつまでたっても届かない!!

 夏に発表したZOZOのオーダースーツの大幅な納期遅れは問題視されました。ゾゾスーツのサイズ計測には不安が残るものの、オーダースーツは大いに注目されていたのですが、10月になっても商品が届かないばかりか、12月末まで納期が遅れるとの発表がある始末。PBの受注金額が15億円なのに回収金額が5億円しかないのはどうしてかというと、オーダースーツの納期遅れが大きな比重を占めているということです。

 ここまで大幅な納期遅れが生じたということは、ZOZOには製造及び生産管理に関する経験知やノウハウがまるでなかったと考えられます。通常、アパレル企業は、自家縫製工場を抱えている場合が少なく、外部の協力工場で商品を縫製しますが、製造工程に関する知識や生産管理のノウハウがそれなりにあります。そのため、大幅な納期遅れは起こさないことがほとんどですが、インターネット通販モールの運営会社だったZOZOにはその一切がまったくなかったのではないでしょうか。また、生産ラインの確保も不十分だったと考えられます。

 もちろん急ピッチで、それなりの体制を作ろうとした痕跡は認められますが、ノウハウは一朝一夕に蓄えられるものではありませんし、生産ラインもすぐには確保できませんから、その浅さが露呈してしまったといえます。人々が抱いていたオーダースーツへの期待は、大きな失望へと変わってしまいました。

流通新大陸の覇者 ZOZOTOWN―週刊東洋経済eビジネス新書No.238
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