知られざる女子刑務所ライフ53

吉澤ひとみの執行猶予付き判決は想定内——元女囚が考える「3つの芸能人裁判」

2018/12/02 16:00

20席の傍聴席を求めて1000人以上の行列

 初公判当日は、当然ながら大混乱だったようですね。吉澤さんはのりぴーこと酒井法子さんと同じ法廷やったそうで、20席の傍聴席を求めて1,000人以上が並んだそうです。まあ麻原彰晃は、48席に対して1万2,000人以上やったそうですけどね。

 並んでいる人たちは、吉澤さんのファンのほかに傍聴席の抽選にバイトで並んでるだけの方も、けっこういてるそうです。編集者さんによると、「当選してもしなくても並べば3,000円」が相場らしく、ええバイトですね(笑)。記者クラブに入っていない雑誌の記者さんなんかは、そうやって席を確保するのだそうです。

 何も有名人2人の公判を同じ日にしなくてもよさそうなものですが、知り合いの弁護士さんは「起訴から初公判まではだいたい2カ月で、2人の裁判が同じ日になったのは単なる偶然」言うてました。思えば私もそのくらいかかってましたね。

■覚醒剤との決別は毎日が戦い

 この日、グレーのスーツに白いシャツ姿で出廷した吉澤さんは、小さな声で「間違いありません」と罪を認めたそうです。また、高橋さんは「ものすごくみじめ」とのたまったそうで、どっちもだいたい想定内の態度ですね。高橋さんの判決は12月13日やそうで、前科もあるから実刑でしょう。今どきのムショで薬物中毒を克服できるかは微妙なところです。そして、元歌のお兄さんは罪を認め、その日のうちに結審して12月10日に判決やそうです。お兄さんは初犯でしょうから執行猶予と違いますかね。

 私にも経験がありますが、「反省している」「二度としない」と口で言うのはカンタンです。問題は、その後です。

 吉澤さんは、免許がなければひき逃げもないでしょうけど、高橋さんとお兄さんの覚醒剤使用はそうはいきません。これから毎日毎日、少しずつ実績をつくっていくしかないんです。あの清原和博さんでさえ、その毎日がとてもつらくて、何度もクスリに逃げたくなると、自著で語っておられますよね。そういう弱い自分とちゃんと向き合うことが大事です。周囲の支えがあれば、乗り切れると思いますよ。私でもできたんですから。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

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最終更新:2018/12/02 16:00
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