米津玄師の『紅白歌合戦』出場はあるのか?「自分が必要だと感じたらテレビに出る」

11月14日に『第69回NHK紅白歌合戦』出場者が正式発表されたが、それから約1週間が経ち、盛んに言われているのが、深刻な「目玉不足」だ。

 『紅白歌合戦』に「目玉不足」が指摘されるのは別に今年に限ったことではないのだが、そういった声を覆してきたのが「特別枠」の企画だ。

 たとえば、昨年の『紅白』では、芸能界引退前最後の『紅白』となる安室奈美恵や、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』主題歌を担当した桑田佳祐らの出演が番組を盛り上げた。

 今年の特別枠で現在決まっているのは、椎名林檎と宮本浩次(エレファントカシマシ)がコラボ曲「獣ゆく細道」を歌う企画と、2.5次元ミュージカル『刀剣乱舞』の刀剣男士と、アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の声優ユニットAqoursによって「クールジャパン」が紹介される企画の2つ。

 現在放送中の朝ドラ『まんぷく』で主題歌を担当するDREAMS COME TRUEの特別枠出演はほぼ確実視されているが、「確定」と「暫定」を合わせても、去年の安室奈美恵ほど話題性に富む企画はいまのところ出てきていない。

「目玉不足」の『紅白』打開策として浮かぶ米津玄師の名前
 そこで、期待されるのが、米津玄師の出演だ。

 今年3月にリリースされた「Lemon」は、シングルCD出荷が41万枚で、デジタルダウンロードの170万ダウンロードと合わせると、合計で211万枚。ダブルミリオンのセールスを記録している、今年1番のヒット曲である。

 米津玄師はこれまで地上波のテレビで生のパフォーマンスをしたことがなく(トークのみであれば出演したことはある)、もしも『紅白』で歌唱披露があれば、かなりレアな機会ということになる。

 昨年8月にリリースされたコラボシングル「打上花火」で米津玄師と共に楽曲を手がけたラッパー・シンガーソングライターのDAOKOが紅組で初出場することから、より一層、特別枠での出場を期待する声が高まっている。

 ただ、残念ながら、その可能性を低いと言わざるを得ないだろう。

 今年一番のヒット作を手がけたアーティストにNHKがオファーをかけていないはずがなく、現段階で白組のラインナップに入っていないということは、出演を断られたと解釈するのが自然だからだ。

 米津玄師はメディア嫌いのアーティストとして知られている。つい先日も、「東京ドラマアワード2018」表彰式で主題歌賞を受賞した際、所属事務所が報道陣に対し「その場で撮影した米津の写真や映像は一切使用してはならない」と応じたことから、メディア側の怒りを買ったと報じられたばかり。

米津玄師はすべてのメディアを拒絶しているわけではない
 ただ、完全にメディアを拒絶しているというわけでもないようだ。2015年にはツイッターのリプライで送られてきた<テレビに出ないのは、何か理由があるのですか?>とのファンの質問に対し、<テレビ側が呼んでくれたら、あと自分が必要だと感じたら出るよ。出ないと決めてるわけじゃない>と答えている。

 そうなると、「『紅白』特別枠」での出演に米津玄師自身が<必要>と感じられる理由をNHKが提示できるかが鍵となる。彼は先月18日に発売された「HIGHSNOBIETY JAPAN ISSUE 01」(カエルム)のなかではこんなことも語っている。

<人間の欲望ってとどまることを知らないもので、もっともっと知ってもらいたい、そのために好きでもない自分の歌声や、奇妙な出で立ちや、そういうものを表にさらさなければいけない。やりたくもないライブをやらなければいけない。結局、自分の首を絞めるようなことばっかりやってるんですよね。そうじゃないとつまんないんですよ。自分がやりたいことだけ、自分の殻に閉じこもって、自分のパーソナルスペースの中だけでやってたところで全然おもしろくない。そのまま5年、10年やってたら、音楽を作るのもそんなに好きじゃなくなっちゃっていたかもって思うんですよね。自分が自分のことを好きでいるために、自分の嫌な部分も全部出す必要があったってことなのかなと思いますけど>

 「パーソナルスペース」の外に出るとしたら『紅白』出場はかなり大きなきっかけのひとつになるのは間違いないだろう。9割9分、出場の可能性はないような気もするが、今後の動向にも注目である。

(倉野尾 実)

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