今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

韓流アイドルの騒動でわかった「着てはいけない洋服」と沢田研二のすごさ

2018/11/16 21:00
『サムライ』/ポリドール

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎思い出
 すみっこはイヤッ。オークラの中心でネタをさばきたいの。だったらホテルと話し合うか、出てけばいいのに。いきなり裁判という荒業に出た久兵衛。「あんな名店をなぜそんな隅にッ」「不当な扱いに負けないで!」「頑張れ、応援してます!」的な世論の高まりを狙っているのかもしれないが。いやいやいや。久兵衛もオークラも行ったことない人がほとんどの世論には、全く響かんて。

 と言ってるけど、私は両方行ったことある。某雑誌のインタビュー記事のため、オークラに部屋を取っていた際、「だったらその前に久兵衛に行ってくるわ」つったタレントが時間になっても来ないので店まで迎えに行っただけだが。「んあー。ごめんなさぁい、おいしくってぇ」ってしこたま飲んでた。川島なお美だった。時効時効。

◎灯台下暗し
 先週の「現地コーディネート会社が」主張を一転、社長が謝罪し、祭り企画の当面中止を発表した『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)。いやいやいや。世界の祭りだからネタ切れでヤラセになるワケで。日本にだって奇祭があるじゃないか。福岡の尻振り祭りで思いっきりシャウトし、神奈川のかまなら祭りはよい子のために全編モザイク、長野の塩嶺御野立記念祭を秒で体感し、愛媛の一人相撲祭りでのたうち回り、とどめは秋田の統人行事で、泥酔した素の宮川大輔が牛に括り付けられ練り歩く。みうらじゅん監修でCSでどうだ。やっぱCSか。

◎諸行無常
 一昨日、用事で水道橋を通りかかったら、「君が代」が大音量で流れてきて、東京ドームで何かスポーツの大会でもやってんのかと思ったら、例の韓流グループのコンサートの妨害に来た右翼の街宣車だった。「君が代」をバックに「こっこぉ~だぁんぜーつ! ぜん〜めつ〜せよ〜ッ」とスピーカーから流れる割れた大音響。それを全く無視して楽しそうな大荷物の娘さんたち。彼女たちは、街宣車よりもテレビ局の取材クルーを露骨に避け、声を掛けられてもイヤホンの音量を上げるふりして無視していた。通りがかりの私は犬を連れていたのだが「かわいー」「さわっていーですかぁ」とメンバーの顔写真が貼ってあるウチワ持った母子(40代と10代)が寄ってきて、犬と写真を撮った後「ファンじゃない人も迫害はひどいって絶対呟いて下さいねッ」と半泣きで訴えられた。帰って『マツコの知らない世界』(TBS系)の韓国料理特集を見た。うまそうだった。人生万事塞翁が馬。

 ま、とにかく、世の中には着てはいけない服があるってことで。着なきゃいいのだ。Tシャツは無地。軍服はプロ限定。沢田研二なんて、あんなモンじゃない、もっとストレートなすごいの着てたんだよなぁ。あの時代に生まれて、ホントに良かったな、ジュリーは。久しぶりに検索で見た、あの片肌脱いだ軍服姿はやっぱりカッコよかった。じゅり〜〜〜っ。感想は自由ってことで。

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。

最終更新:2019/05/21 20:23
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