インタビュー

関ジャニ∞・大倉忠義も警告……ヤラカシが「嫌がらせ行為するワケ」を臨床心理士が解説

2018/11/13 11:00

ヤラカシに見る「境界性パーソナリティ」の傾向

 杉山氏はまず、ヤラカシにとって「『アイドルと自分』は、『アイドルとファン』の関係性ではなくなっている」と、その心理状況を指摘する。

「アイドルをあまりにも身近に感じすぎるあまり、家族や恋人のような存在になっているのでしょう。母親が家族のことを心配して世話を焼く感覚で、自分もアイドルのことを気にかけているといった感じです。このように、ヤラカシの頭の中では、アイドルはかなり身近な人物なのですが、そんな人に、自分の存在を無視されるのは、とてもつらいこと。愛情の反対は、“無視”ですから、たとえアイドルから向けられる感情が憎しみであっても、無視されるよりはいい……となるわけです」

 確かに、家族や恋人から、理由もなく無視され続ければ、「どうして?」という悲しみがわき、自分に何でもいいから反応を返してほしいと思うだろう。そして、返してくれたら「よかった」「うれしい」と感じることを、「理解できる」という人は少なくないのではないだろうか。

 また、杉山氏は、ヤラカシに境界性パーソナリティの傾向も見られるという。

「境界性パーソナリティの人は、人間関係のストレスを抱え込む力が弱い。そのため、大好きな相手が自分の気持ちに応えてくれずストレスが溜まると、途端に相手のことを大嫌いになり、嫌がらせをしたり、悪口を言うなど、攻撃するようになる。そうすることで、自分の存在を維持させようとするのです」

 アイドルに接触を図ろうとするヤラカシとは違うものの、ネット上で、少し前まで応援していたはずのアイドルに、罵詈雑言を浴びせかけているというファンを見たことはないだろうか。そういった人もまた、境界性パーソナリティの傾向が見られると言えるかもしれない。

「境界性パーソナリティの“種”のようなものは、誰しもが持っています。割りと、子どもってそういうところありませんか? 好きという気持ちが強すぎて、構ってくれないと相手が困ることをしたくなる……という。こういう心理状態は、心理学用語で“退行”と呼んでいます」

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