ゲームや機械に強い母親と料理上手な父親 夫婦の「規範意識」を取り払う

2018/11/04 20:00

妻は料理と育児をしてこそ妻、専業主婦であればなおさら、という価値観は、いつまでも根強く、もはや自分でも意識していないが無意識レベルに根付いているといっても過言ではない。だからこそ現在でも「料理をする夫」はもてはやされる。

 とはいえ家庭のことを夫とちゃんと分担できれば大抵の妻は負担軽減で助かるはず。だが、今回のトピ主は、無意識レベルに根付いた妻の規範に縛られているのか、こんな相談をしている。

夫の趣味を止めさせたい
 トピ主(40歳女性・専業主婦)の相談は「夫の趣味の料理を止めさせたい」というものだ。元々、夫は料理が趣味ではなかったが、子供が出来て家事を手伝っていくうちに料理を覚え、今となっては料理が趣味となっているのだという。専業主婦のトピ主としては、子供から「パパの料理の方が美味しい」と言われると、悲しくて料理をする気をなくしてしまうそうだ。

 夫は、休日は朝からパンケーキを焼いて、夜は某サイトを見ながらローストビーフや鯛のムニエルなど色々と作るので、子供達は休みの日を楽しみにしている。魚釣りに行けば、帰って魚をさばいて刺身や寿司まで夫が作るので、トピ主は仕方なく釣り具の後片付けに徹する。

 子供は学校の作文に「お父さんは料理が得意です。お母さんはトランプが得意です」と書いて授業参観日に発表して、トピ主は恥を書いてしまったと感じている。

「専業主婦の威厳を取り戻したいです。
平日は自分がそれなりに真面目に料理をしていますが、夫はメキメキ腕を上げて、子供の誕生日はケーキまで焼いていました。
もうこの辺りで夫に台所から出て行って欲しいです。
最近では料理教室に通いたいと言い出しました。
どうすれば夫が料理するのを止めてくれますか?」

という相談だ。

 え~いいじゃん料理が得意なダンナさん。美味しいご飯が食べられるだけで嬉しいけど……。同じ気持ちの小町住人は多く、“やめさせるな”の意見がどしどし書き込まれた。

「すってきなご主人ですねえ。羨ましいなあ。
専業主婦の威厳?うーん。。あなたも競って料理の腕を磨くか、それが無理そうなら家の中の掃除やインテリア担当大臣になればいいじゃないですか。
そんなね、料理に目覚めたパパをママのプライドでやめさせるなんて、お子さんの教育にすごく悪いと思いますよ。
あなたが子供だったらどう思いますか。
私が子供ならすごく悲しいね。そんなお母さん、痛々しいしカッコ悪い」

「どうぞ、そのまま旦那さんにお料理してもらってください。
奥様は他にもお掃除、お洗濯その他諸々のお仕事に頑張ってください。
特別、お金がかかる訳じゃなく家族を喜ばせる為にお料理を作ってくれる。
ステキな事じゃないですか!
もっと喜んでみたらどうですか?」

「まだ40歳という事で実感がないかもしれないですが、40後半になったら体力もがくっと落ちて更年期も重なりいろいろな事をこなすのが極端にしんどくなってきますよ。
老後のことも考えたら夫が今料理にはまってくれたのはトピ主にとっても大ラッキーですよ。
やめさせたいなんて、なんてもったいないことを言ってるのですか。(略)トピ主がすべきことは、この趣味が一過性のものではなくてずっと続けられるよう夫をうまくおだててその気にさせつづけることです」

 最後のコメントの“夫を操縦して続けてもらえるように”という意見は、また“操縦”かぁ~とうんざりするものの、夫が美味しい料理を作ってくれるのは単純に嬉しいものだ。

「男の料理ってたまにやるから美味しいんですよ。
たまに作るから味が濃くて子供にウケるんです。
お父さんの料理は「特別なご馳走」って位置付けでいいんじゃないでしょうか。
それに毎日あんな味も濃いものばかり食べてたら生活習慣病になります。
普段の何でもない食事の方が大事なんです。
ちゃんと家族の健康を考えて作る食事が生きていく上での基本になるのですから誇りを持ってください」

と、お父さんの料理は“趣味で休日に作るからこそ手が込んでいて特別感がある”という意見もある。確かにこれもうなずける。両親ふたりがそれぞれ別ジャンルの料理を作るのは家族にとって楽しみが増えるのでは。

 次に多いのが“夫が料理してくれるなら働いたら?”という意見。

「いっそトピ主も料理しなくてよくて暇なら働いては?専業主婦なんていらないですよ。トピ主の家庭では」

「貴方の場合は外に働きに出てはいかがですか?そしてご主人に、『妻の仕事を辞めさせたい』と自分の収入を超える妻の愚痴?を小町で零させましょう」

 そして「専業主婦のトピ主様が、努力して料理の腕を磨けばいいのではありませんか?」なんていう意見もある。ま~でも人には得意不得意あるから……。トピ主レスを読むと、実際にトピ主は家事の中でも料理があまり得意ではないそうだ。

「レスでずばり当てている方がいましたが、家事の中で私は料理が一番嫌いです。エアコン分解して掃除したり、脚立にのって植木の剪定したり、高圧洗浄機で外壁掃除したり、何でもしますが、料理だけが好きじゃないのです。だから下手なんだと思います。せめて子供達が美味しいと言ってくれたらやる気も起きると思いますが。
私はインスタントコーヒーでもよいのですが、夫は豆から挽いてコーヒーをいれます。どうせ飲むなら美味しい方がよくない?と言います。ローリエ入れなくても別に変わらない気がしますが、夫はローリエがないと料理中でも買いに行きます。
カレーだって市販のルーでいいのに、粉で作って色々スパイス入れてインド料理屋で出てくるようなカレーを作ります。
子供達も段々と味が分かるようになってきて、平日の料理に不満を言うのを止めさせたいです」

 へぇ~~! むしろエアコン分解掃除や植木の剪定、外壁掃除ができる専業主婦ってスキル高くて料理が苦手でも全然気にすることないんじゃないの? と思うが……。

「以前、友達が明日遊びに来ると言った時、夫は庭になっているブルーベリーの実を集めてブルーベリーソースを作ってクレープを焼いて準備してくれました。
私は料理はしますが、お菓子作りはしません。
子供達がだんだんと夫に懐いていくような気がして夫が料理するのが嫌なのです」

 夫の料理によって子供達が自分より夫に懐いていってしまうのではという不安があるようだ。とはいえ、トピ主は竹を割ったような性格というか、素直でさっぱりしている人のように見える。様々なコメントを受けて考えが徐々に変わってきたそうなのだ。

「昨日、夫にメロン切ってと頼むとメロンの皮半分を器にして、その中に切ったメロンを盛って子供達に食べさせていました。なんかもう料理では、夫に勝つ?のは無理な気がしてきました。子供からパパが主婦(夫)になってママが働けば?っと言われました。そういうレスもいくつかありましたね。ちょっと仕事探してみます。
あとトランプの腕を磨けば?というレスもありましたが、作文の一件から私は開き直って子供に私の知る限りの遊び方を教えましたが、子供から学校でトランプしても誰もナポレオンも切り札も知らなかったと言われました。最近トランプなど流行ってないのですかね?私は子供達と夜な夜なトランプに興じてますが、夫はトランプは出来ないです。私は麻雀パイも花札も持っていますから、自分の得意な事を子供達に教えようと思います!」

 女性だから、男性だから、こうするべきという規範にとらわれずそれぞれが好きで得意なことをやっている夫婦、いいと思うけどなぁ~。

 別のレスには、釣りはトピ主が始めた趣味であり、釣ることと釣具の片付けはトピ主、魚をさばいて料理するのは夫、とあった。役割分担は家族それぞれでいいんじゃないですかねえ。気にしなくても。

「日曜日、夫は地鶏の炭火焼きを作るため、わざわざ七輪を買って来て、外でバタバタうちわをあおいでいたので、グリルでよくない?と言ったら、台所出たけど。と言われました。多分このトピを見たのだと思います。匂いがしたのか、近所の人が出て来たので、苦情を言われるのかと思ったら、夫が美味しそうでしょとか何とか言って、一緒に食べていました。外交も夫に任せていた方が良さそうです」

 多くの小町トピでは、妻の愚痴トピを見た夫が怒って喧嘩になるパターンが多いのだが、このトピ主夫はそれでもうまくやっているようだ。なんだかできた夫婦だなぁ……。

「食材のコストの事がレスにありましたが、材料より道具やバターをたっぷり使ったり、そっちの費用の方が気になりますが、ちょっとしたレジャーに行く事を考えたらこっちの方が安いので黙っています。
子供達にはとりあえず、まず花札から教えました。
横で夫が、がじるとか、ふけるとか聞いた事ないけどと言っていました。
ローカルルールでしょうか?
子供には再度、ママの料理に文句を言う暇があるなら、さっさと役を覚えて自分達で計算出来るようにと注意しておきました。子供が月曜日学校に花札を持って行こうとしたので、さすがにそれは止めました。でも、月見と花見で鉄砲とか言いながら学校に行っていたので、頑張って覚えているようです。早く麻雀もマスターして欲しいものです。
今回、子供が学校のクラブ活動で黒一点で料理クラブに入って驚き、家庭の母親は料理をしてこそお母さんという思いがあって、夫には料理を控えてもらいたかったのですが、皆様に色々とご指摘を受けて考えを改めようと思います」

 これまでトピ主にも「料理をしてこそお母さん」という思いがあったようだが、今回のトピ立てにより考えも変わったようだ。この夫婦のように、お母さんだからこれをやるべき、という思いをちょっと取り払えば、ぐっと楽しみが増え、家族の視野も広がることがわかったトピであった。

最終更新:2018/11/04 20:00
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