『やってはいけない歯科治療』著者・岩澤倫彦氏インタビュー

信用できない歯科医院を見抜く6つの点! セラミック矯正・インプラント治療の盲点も

2018/10/26 15:00

「独自の治療法」は地雷の可能性が高い?

 それでは最後に避けるべき歯科医院、歯科医師を見極めるポイントを岩澤氏に聞いた。

「まず前提として、ネットの口コミサイトは何らかのステマ情報だと疑った方が懸命です。こうした情報は業者によって書き込まれているケースが多いのです。また、ホームページ上で専門分野を書かずに『ここでしかできない独自の治療法』などとうたっているのも怪しい。医療においては、その医院だけができる治療法などあり得ません」

 歯科医院がある立地も見分けるポイントとなる。

「例えば、駅前にあって、あまりに豪華な内装の歯科医院は、注意したほうが賢明です。こうした医院はテナント料も高く、それに見合うだけの売り上げを出さなければならないので、不必要な自費診療を勧めてくる可能性も考えられます。また、診察待ちの患者が多いからといって、良い治療を行っているとは限りません。飲食店の行列商法と同じ理由で、わざと患者をロビーに待たせている場合があるからです」

 誠実な歯科治療を行っているか、それを確かめる方法の一つが、FacebookやTwitterなどのSNSチェック。歯科医師の人間性を見抜くことも重要だと岩澤氏は指摘する。

 そのほか、歯科衛生士などのスタッフが定着しているか、という点も注目すべきポイントだという。常時スタッフを募集している歯科医院は、治療内容や感染対策、歯科医師の人間性に問題があるかもしれない。

 また、最近注目されている「予防歯科」については、キャリアを積んだ歯科衛生士がいる歯科医院を選ぶのがポイントだという。なぜなら、予防歯科は歯科衛生士の能力によるところが大きく、岩澤氏が実際に取材してきたなかでも、誠実な歯科医院には優秀な歯科衛生士が必ずといっていいほど、在籍していたからだ。

 もう1つポイントを付け加えるなら「感染予防」だと岩澤氏。治療器具や手袋を患者ごとに交換しているか、診察室の衛生管理が行き届いているか。「感染予防」は、歯科医院の姿勢が如実に表れるという。

 最後に、歯科医院選びと同様に重要なのは、患者自身も「自分の歯にはどのような治療が必要なのか」、ある程度の予備知識を得ておくことだという。そうでなければ、信頼できる歯科医師かどうか判断もつかないからだ。

 ただし、「生兵法は大怪我のもと」ということわざもあるので、自己診断は禁物。高額な治療の場合は即断せず、複数の歯科医からセカンドオピニオンを聞いたり、信頼できる歯科医師や歯科衛生士を見つけること、それが自分の歯を守るために重要なのだ。
(福田晃広/清談社)

最終更新:2018/10/26 15:00
やってはいけない歯科治療 (小学館新書)
8020達成できるかな……
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