小物感が否めないビッグ3

有吉弘行、マツコ・デラックス、坂上忍――「新世代のビッグ3」リアルな視聴率ランク

2018/10/27 15:00

 坂上忍のレギュラー番組が今秋から2本増え、週8本となった。もはや「俳優」という肩書が似つかわしくないほど、バラエティ界で売れっ子のタレントとなっている。勢いづく坂上と並び、現在バラエティ界に欠かせない存在となっているのがマツコ・デラックスと有吉弘行だろう。

 「テレビ界の現状を見れば、坂上・マツコ・有吉をビッグ3と言っても異論ないのでは」(放送作家)との指摘もあるが、そんな「新世代のビッグ3」で誰が一番「数字を持っているのか」割り出してみよう。今回は、3者の直近(10月22日現在)で放送された出演番組視聴率を単純に合算して比較する。まずは有吉の出演番組の視聴率を見ていこう。有吉が抱える地上波テレビのレギュラーは週10本。(視聴率はいずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)

9月28日『金曜★ロンドンハーツ3時間SP』(テレビ朝日系)10.5%
10月5日『有吉ジャポン』(TBS系)2.9%
10月12日『超問クイズ!真実か?ウソか?』(日本テレビ系)10.0%
10月15日『有吉ゼミ』(日本テレビ系)12.0%
10月16日『有吉弘行のダレトク!?』(フジテレビ系)6.0%
10月17日『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)4.8%
10月18日『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)10.1%
10月19日『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)4.9%
10月20日『有吉くんの正直さんぽ』(フジテレビ系)6.7%
10月20日『有吉反省会』(日本テレビ系) 6.2%

合計74.1pt

 かつて昭和のバラエティ王、欽ちゃんこと萩本欽一の全盛時、冠番組の合計視聴率が100%となったと話題になったが、この数字だけ見れば、有吉はそれに最も近い存在なのかもしれない。

  続いてマツコ・デラックスの出演番組は、『マツコの知らない世界』(TBS系)『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)など7本。同じように直近の視聴率を見ていこう。

10月1日『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)9.2%(8日、15日は特別番組のため休止)
10月11日『アウト×デラックス』(フジテレビ系)7.3%
10月16日『マツコの知らない世界』(TBS系)9.2%
10月17日『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)7.8%
10月17日『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)4.8%
10月18日『夜の巷を徘徊する』(テレビ朝日系)5.4%
10月20日『マツコ会議』(日本テレビ系)6.8%

合計50.5pt

 これだけ見ると、有吉とは見劣りするだろう。ただマツコが凄いのは、別の数値にあるという。

「視聴率と同じく重要視されるのが“占拠率”です。これは、その時間帯にテレビをつけている人のうち、何%の人が見ているのかを示す数値ですが、1日放送の『夜ふかし』の場合、38.7%。ちなみに同日、連続テレビ小説『まんぷく』(NHK)の占拠率が40.0%(視聴率23.8%)ですから、朝ドラ並みに見られているといえるのです」(同)

そして坂上。先述の通り、この秋から2番組増え、地上波週レギュラーの合計は8本。MCを務める『バイキング』は番組数として1本だが、月~金まで5日にわたって出ているため、5日それぞれの視聴率を出すことにする。

9月9日『坂上&指原のつぶれない店』(TBS系)9.6%
10月13日『天才!志村どうぶつ園』11.8%
10月15日『バイキング』4.6%
10月16日『バイキング』4.7%
10月17日『バイキング』4.3%
10月18日『バイキング』5.3%
10月19日『バイキング』5.4%
10月19日『ダウンタウンなう』(フジテレビ系) 7.2%
10月15日『有吉ゼミ』(日本テレビ系) 12.0%
10月18日『直撃!シンソウ坂上』(フジテレビ系)6.9%
10月19日『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ系)6.1%
10月15日『1番だけが知っているSP』(TBS系)9.0%

合計82.2pt

 おさらいすると、有吉74.1pt、マツコ50.5pt、坂上82.2ptと、一番数字を稼いでいるのは坂上ということになった。では、そんな彼の魅力はどこにあるのだろうか。

「『バイキング』(フジテレビ系)を見ていると、坂上の魅力は、議論のピークをどのように持っていくかを考えながら、パネラーや専門家に話を振れるところにあります。あの番組は、1つのニュースに関する話題を40~50分も延々と深掘りする構成ですから、どう視聴者を飽きさせずに“展開”させるかが大事。いきなり核心を突く発言をすると、ダメ出しされるぐらいです。約2時間のショーをどう見せるかという点においては、子役から続けている俳優経験が生かされているのかもしれません」(業界関係者)

また、現在のテレビ業界について、こんな指摘も聞かれた。

「最近は、視聴率が伸びない番組でも打ち切られるケースは少なくなっています。コンテンツを作る体力も人材もあった昔に比べ、かける予算も限られ、人手不足も叫ばれている。マツコ、有吉も、そんなテレビ“低成長”の時代にいることが幸いし、数字がそんなに良くなくても番組が続き、長寿番組化しています」(前出・放送作家)

 いずれにしても、坂上・マツコ・有吉が現在のテレビを象徴する3者であり、替えの利かない存在であることは確かなようだ。
(村上春虎)

最終更新:2018/10/27 15:00
おまえの代わりなんていくらだっている ――覚悟の仕事論 ((新潮新書))
あきらめと負けを知るタレントが並んだね
アクセスランキング