インタビュー

「子宮系女子」ビジネスはなぜ儲かる? スピリチュアル・自己啓発分野のマーケティングから考察

2018/10/20 16:00

「膣」でも「エクスタシー」でもない、いい塩梅の「子宮」

 以前から、はる氏の“子宮メソッド”については、ウォッチしていたという有元氏。「いちユーザー目線としては、『子宮』というワードが斬新で、一瞬びっくりさせられるとともに、『これまでのスピリチュアルとは、違ったものなのではないか?』と期待感を抱かせてくれたのが、最初の印象です」という。

「『子宮』というワードは、見る者を“いい具合”に、一瞬ドキッとさせます。これが『膣メソッド』『エクスタシーメソッド』だと、直接的に性行為を想起させるので、女性は『品がない』『過激すぎる』などと引いてしまうと思うんです。それを『子宮』くらいで留めたのが、斬新さと革新性の塩梅もよく、女性を惹きつけたのではないでしょうか。女性の体の神秘性も感じさせますし。ただ、子宮メソッドを詳しく見ていくと、かなりきわどいワードもたくさん出てくるんですけどね(笑)」

 有元氏は、子宮メソッドという字面に目新しさを感じたというが、実際に内容を見てみると、「これまでの“引き寄せ”ジャンルの話とそれほど大きな差はないと思った」そうだ。引き寄せとは、「引き寄せの法則」と呼ばれるもので、全世界で2000万部を売り上げた自己啓発書『ザ・シークレット』(2006年、KADOKAWA)で注目を浴びた、「思考そのものを変えることにより現実の幸せを手に入れる」といった思考法である。その思考法を元にした書籍は枚挙に暇がなく、共通して「自分の本音や感情をしっかり感じる」「自分を褒める、愛する(セルフラブ)」ことなどが重要視され、確かにはる氏も同様の教えを説いている。

「ただ、これまでの引き寄せの法則と大筋では似ているところが多いものの、それが『子宮を軸によくまとまっているな』と感心しました。引き寄せ自体のターゲットには男性も多いのですが、子宮メソッドは、スピリチュアルのメインターゲットである女性に当たりました。スピリチュアルのメインテーマの1つに“恋愛”があるのですが、子宮はその恋愛に紐づきやすい。他人との関係性だけではなく、引き寄せのセルフラブ(奥底にある本来の自分を受容・肯定して愛する)をも連想させます。なお、この恋愛はスピリチュアル界隈では“稼げるテーマ”なんですよ」

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