やはり“気持ち悪い”が勝ってしまった『中学聖日記』 初回平均視聴率は6.0%

2018/10/10 20:00

 有村架純(25)主演のドラマ『中学聖日記』(TBS系)の第1話が今月9日に放送された。『中学聖日記』は同タイトルの漫画が原作であり、中学生と女教師の禁断の恋を描いた作品だ。ドラマの放送が発表されるや否や、そのセンセーショナルなテーマから期待と共に、「リアルだったら完全に犯罪」「中学生と教師とか気持ち悪すぎ」といった批判的な意見も飛び交うなど、賛否両論の注目を集めていた。

 満を持して放送された第1話の平均視聴率は6.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、不安なスタート。同枠では前クールの『義母と娘のブルース』が大ヒットを記録しただけに、放送枠のせいではなく単純に放送内容が敬遠されたということだろう。

有村架純は可愛いけど、ストーリーが気持ち悪い
 ネット上での視聴者の感想としては、「有村架純が可愛い」「架純ちゃんに癒される」といった、末永聖演じる有村の可愛さをほめる投稿が多い。というか、ほぼそればかりだ。原作の末永は、「あざとい」「使えない」「鈍感」「のろま」など、同性受けがとにかく悪い女性だが、ドラマではそういった要素は薄く、「あざとい」が可愛くて万人受けするキャラクターへと変換されていた。

 また、プロデューサーは『アンナチュラル』(TBS系)や『Nのために』(TBS系)を手がけた新井順子氏であり、映像の美しさも好評。演出の塚原あゆ子氏も両作を手掛けており、公開中の有村架純主演映画『コーヒーが冷めないうちに』の監督でもある。

 しかし、役者や映像に良いところはあれど、ストーリーや演出に関しては難が目立った。障壁を乗り越える純愛というのはフィクションの王道だが、今作については「中学生と教師じゃいくら有村架純でも気持ち悪い」「これを純愛とするのは無理がある」といった感想が多い。

 有村架純演じる教師に恋をする男子中学生の黒岩晶を演じるのは19歳の新人俳優・岡田健史だが、背も高く大人びた風貌のため中学生には見えず、生々しさが拭えない。黒岩は恋心を知らないまま、担任の末永聖に惹かれていくという無垢な中学生の役柄で、ドラマでも原作同様に思春期ならではの不機嫌さを表現していたが、聖にぐいぐい関係を求める気持ち悪さが際立っていた。

 岡田健史はこの作品が芸能界デビューだという。実際に中学生の役者を起用するわけにもいかないことから19歳の岡田が抜擢されたのだろうが、やはり“恋心を知らない”中学生らしさを表現することは難しく、ストーリー設定自体、ドラマ化するには無理があったのではなかろうか。漫画ならば何ら嫌悪感を抱かせることなく、純真な少年を描けるが、実写ではやや厳しい。

 原作漫画では早々に惹かれあう二人が“引き裂かれ”、黒岩が高校生へと成長してからの話に移行するため、ドラマでも「中学生と教師」の設定からはすぐ脱却できるはずだが、初回に食いつかなかった、あるいは嫌悪した視聴者を呼び寄せることができるだろうか。

 初回視聴率はいまいちだったが、「視聴熱」は上位に食い込み、依然話題性は高い『中学聖日記』。“気持ち悪さ”を払拭し、良い意味で注目を集めることはできるのだろうか。

(栞こ)

最終更新:2018/10/10 20:00
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