仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

有働由美子アナの自虐発言に垣間見える、「セクハラするおじさん」と同じ思考回路

『ウドウロク』(新潮社)

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「セクハラ問題は、うちら世代が許してきちゃったから」有働由美子
『ボクらの時代』(フジテレビ系、9月23日)

 今でこそ、視聴率ワーストが定着してしまったフジテレビが全盛期を迎えていた80年代。フジテレビのアナウンス室は「お嬢さまを採用する」という特徴があったように思う。子どもの頃から大切に育てられ、名門大学を出た美女が、漢字を読み間違えたり、バラエティ番組でプールに落とされて衣服がスケスケになるところが、男性視聴者にはたまらなかったのだと思われる。

 フジテレビの人気が陰ってきた90年代。東大卒の佐々木恭子アナウンサーが入社して話題を呼んだ。「楽しくなければテレビじゃない」を掲げるフジと東大卒の女性は水と油で長持ちするわけはないという週刊誌の記事を読んだが、東大卒という経歴が一番生かせるのは、実はフジテレビではないだろうか。

 お嬢さま軍団の中に、東大卒の佐々木アナが入ることで、両者の違いがはっきりして、キャラが立つ。結果として、双方にメリットがあるのだ。

 フジテレビと東大卒の女子アナというように、一見「らしくない」取り合わせで頭角を表したのが、元NHKの有働由美子アナウンサーではないだろうか。

 真面目、品行方正、お堅い。NHKのアナウンサーに抱かれるイメージを逆手にとって、自虐やぶっちゃけで人気を博し、週刊誌の「好きな女子アナ」企画では上位の常連である。今年3月、27年勤めたNHKを退職し、フリーに。NHKを退職する際は、「ジャーナリストになりたい」という趣旨のコメントをしていたが、10月からは『NEWS ZERO』(日本テレビ系)のメインキャスターに就任することが決まっている。

 有働アナは、キャスター就任のお披露目会見で、若い女性キャスターと一緒に仕事をすることについて、「完全にキラキラする人たちと、置屋の女将みたいな感じ」といつも通りの自虐発言をするが、これを受けて元TBSアナウンサーの小島慶子が「置屋の女将(おかみ)というのは、辞書にあるところの『注文に応じて女を差し向ける』采配を振るう女主人、ということになります。自らを置屋の女将に例えて、若手女性アナウンサーたちを“差し向けられる女”になぞらえるのは、元同業者としてとても悲しいです」とツイート、また作家の甘糟りり子は「女性セブン」(小学館)において、「有働さんや私たちの世代が、こうした自虐をやめない限り、無邪気な(これ、嫌味ですからね)おじさんたちの意識は変わらない。おじさんと書いたけれど、必ずしも性別が男性とは限らない。似たような思考を持った女性も含めての『おじさん』である」と書くなど、女性論客から有働アナのジェンダー観に疑問の声が上がった。

 その批判が目に入ったのかどうか、定かではないが、『ボクらの時代』(フジテレビ系)に女優・石田ゆり子、作家・角田光代とともに出演した有働アナは、自らを「マスコミは男社会なので、私は男脳になっている」「セクハラ問題は、うちら世代が許してきちゃったから」と発言。どういうことかというと、男性のセクハラ発言に目くじらを立てていると、仕事にならないので受け流してしまった、そうすることで、セクハラが定着してしまったという意味だと、説明をしていた。

 しかし、「今は、あえて声高にいいますけどね」と言葉を続けたため、「よし、ユミコ、ジャーナリスト魂を見せてくれ」と思って、次の発言を期待したのだが、それは「今日は更年期気味なので、帰りま~す」だった。編集の都合で切られてしまったのかもしれないが、とりあえず言えるのは、帰る理由として、なぜ更年期をあげる必要があるのだろうかということだ。

 “更年期で体調が悪い”というのは、女性視聴者の共感狙いの可能性もあるが、もし帰宅理由として、更年期が風邪よりウケると思っているのだとしたら、それもまたオトコの発想ではないだろうか。なぜなら更年期は、個人差はあるものの、40代半ばから50代半ばの中年女性がなるもので、“若くないことのほのめかし”だからだ。「更年期だから帰る」が笑いになるのは、その職場で「若くない女性は価値がない」という暗黙の同意があるということであり、つまりは有働アナがオジサン脳という証拠なのである。

UDOの自虐がどこまで通用するか見ものだわ

しぃちゃん

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