インタビュー

滝沢秀明、ジャニーズを救うためにすべきこと……企業コンサルタントが「ジュリー氏との関係」に助言

2018/09/29 17:00

ジャニー喜多川社長は、やはり立派な経営者だった

――滝沢秀明さんがタレントを引退し、ジャニー社長の後継者になることが発表されました。この決定について、率直な感想をお聞かせください。

大関暁夫氏(以下、大関) ジャニー氏は、大した経営者だとあらためて感心しました。というのも、滝沢くんを自身の後釜にすることで、「事務所を安定させ、長く成長・発展させるための体制」を整えたと感じたからです。一般のメーカー企業には、それぞれ「技術・開発部門」と「管理部門」があり、その両輪がうまく回らないと経営が立ち行かなくなるものなのですが、これをジャニーズ事務所に当てはめると、長年ジャニー氏が「技術・開発部門」のトップを、メリー氏が「管理部門」のトップを担ってきたのではないかと、私は理解しています。ジャニー氏は、次の世代でも同様の役割分担を行うべきと考え、「管理部門」のトップをジュリー氏に、そして「技術・開発部門」のトップを滝沢くんに担わせる体制を作ろうとしたのではないでしょうか。

 表向きは、滝沢くんが自ら手を挙げたとされていますが、果たして本当にそうなのか、ジャニー氏の方から提案したのではないかと、個人的には思いましたね。以前から、自分の感覚を理解できる、現場を知っている人に後を継いでもらいたいと考えていたでしょうし、SMAP解散騒動以降、事務所の雲行きが怪しい中、今がそのタイミングだと、ジャニー氏自身が決断したのでは。

――滝沢さんは、社長の座ではなく、あくまで“ジャニー氏の業務”を受け継ぐと発表しています。

大関 滝沢くんは、いわゆる“現場担当の責任者”“社内でのナンバー2”の立ち場になるのかなという印象です。その中で、ジュリー氏と滝沢くんという2人の体制がうまくいくのか、うまくいかない場合、どちらに問題があるのか、それとも双方に問題があるのかなど、ジャニー氏は自分の目が黒いうちに見極めようと思ったのかもしれませんね。

 ジャニー氏は、滝沢くんに「プレイングマネージャーの選択肢もある」と伝えたそうですが、一般企業においても、プレイングマネージャーというのは基本的にうまくいかないもの。というのも、マネジメントがうまく行かなくなったときに、「僕は現場で稼げているから」と言い訳ができてしまうんです。逃げ道を作らずに裏方に徹するという道を選んだのは素晴らしかったと思いますね。滝沢くんからの申し出だったそうですが、それはあくまで表向きで、もしかしたらジャニー氏側からの提案だったかもしれないと、私は見ましたが。

――週刊誌では、ジュリー氏と滝沢さんが対立関係になるのでは……などと予想する記事も出ています。

大関 決して、対立するというような悪い話ではないと思いますよ。むしろジャニーズ事務所にとっては、次の時代への第一歩を踏み出したといえます。今年、タレントの不祥事や人材流出が相次いだのは、中の人たちが旧体制から新体制へと移る中で“ギャップ”を感じ、組織としての統制が取れなくなったからではないでしょうか。ジャニー氏は、今こそ次世代にバトンタッチして体制を整えなければ、この不協和音は増すばかりと考えていたようにも見えますね。もともと「技術・開発部門」のトップであるはずのジャニー氏ですが、マネジメントの面で、大英断を下したと感じました。

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