インタビュー

「痩せる油」は幻想? ココナッツオイル、MCTオイル……栄養士が「ダイエット効果の真偽」解説

2018/09/17 16:00

“摂らなすぎ”は便秘の原因になる可能性も

 また、平井氏は、「油は良くない」と一切摂らなくなることも、また危ないのだと語る。

「油は腸の滑りを良くするので、便秘改善に役立ちます。油にカロリーがあるからと言って、一切摂らなくなると、便秘など、ほかの健康を害してしまう可能性があるんです。『油を飲んでいたら痩せた』という経験がある方は、もしかしたら『便秘が解消した』ため、結果的に体重が落ちたのかもしれませんね」

 とはいえ、自分の食生活が自分の体にどのような影響を及ぼしているのか、全てを自分で把握することは容易ではない。自分ではわからない場合、「保健所の行政栄養士に相談をするのも手」だと、最後に平井氏は教えてくれた。

 油に関しては、摂りすぎも、摂らなさすぎも、体に良いとは言えない。ネット上には「ココナッツオイルは良い」とする記事も「悪い」とする記事も存在するが、何も考えずにそれを受け取るのではなく、「この情報は本当に正しいのか?」という冷静な視点を持ち、情報の取捨選択を心がけることが必要だろう。摂り方次第で“毒”にも“薬”にもなる食材が世に溢れる時代だからこそ、表面の文章だけを鵜呑みにせず、正しい情報を見極める力をつけていきたい。
(文・取材:ヨコシマリンコ)

取材協力:平井千里(ひらい・ちさと)
All About「実践栄養ガイド」
メタボ研究の最前線を知り、本物のダイエットを教える病院管理栄養士。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。「メタボリックシンドロームと遺伝子多型」について研究。博士課程終了後、介護療養型病院を経て、現職では病院栄養士業務全般と糖尿病患者の栄養相談を行う傍ら、メタボリックシンドロームの対処方法を発信。

最終更新:2018/09/17 16:00
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