インタビュー

「心理学ではなく新興宗教」精神科医が、人気カウンセラー・心屋仁之助氏の「娘叩く母」肯定を斬る

カウンセリングではなく新興宗教に近い

 心屋氏の回答には、ほかにも物議を醸している部分がある。それは「前世」という言葉を用いている点だ。心理カウンセラーの発言としては違和感を覚えさせるが、片田氏は「きちんと勉強していないので、『叩かれるために生まれてきた理由』を説明できず、『前世』という言葉を使って自己正当化したのでは」と感じたそうだ。

「なぜ子どもを叩いてしまうのかは、心理学的にちゃんと説明できるんです。相談者の女性は『幼い頃、母から暴力を受けました』とつづっており、“虐待の連鎖”が起こっていることがわかりますが、これは『攻撃者との同一視』『置き換え』という2つのメカニズムによって説明できます。『攻撃者との同一視』とは、虐待された人が心の傷を乗り越えるために、虐待の加害者と自分を同一視し、自分がされてきたのと同じようなことを、もっと弱い者に対して行うことです。親から虐待を受けた子どもが、『自分は絶対にこんなことはしない』と誓っていても、大人になった時に、わが子を虐待するのはよくあることなんです。また『置き換え』とは、怒りの感情を、その原因となった人にぶつけられず、別のところにぶつけることを指します。平たく言えば、『八つ当たり』です。例えば、夫からDVを受けている女性は、加害者である夫に怒りを覚えても、怖くて怒りをぶつけられず、もっと弱い者、つまり子どもにぶつけてしまう……というわけです」

 この「攻撃者との同一視」「置き換え」の理論は、「心理学、精神分析では基本のキ。例えば、心理学を学ぶ修士課程の大学院生であれば、誰でも知っているレベル」とのこと。

「『前世』みたいな言葉を持ち出してきたら、もはや宗教です。心屋氏がやっていることは、カウンセリングではなく、新興宗教に近い。『心屋仁之助』はビジネスネームだそうですが、あたかも心理の専門家のような名前をつけているのも、違和感を覚えますし、ただ、口がうまいだけの人と感じてしまいます。『心理カウンセラー』と名乗るのなら、一旦、現在行っているカウンセリングやセミナーを中止して、大学院などに入り、しっかり勉強してほしいと思いますね」

 児童相談所職員やスクールカウンセラーの職に就いた臨床心理士が、日々、児童虐待と真剣に向き合っている中、「そういった経験を一切積まずに、『キミの娘さん 叩かれるために生まれてきた』と発言するなんて、かなり胡散臭い、いい加減な人としか思えない」と本音を吐露した片田氏。心屋氏に限ったことではないが、悩みを相談する側も、「果たしてこの人は、自分にとって、信頼のおける人なのか」をしっかり見極めてからというのを、徹底した方が良さそうだ。

最終更新:2018/09/16 16:00
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