[おちぶれ続けるアラフォー風俗嬢と男たち]

「死ぬか風俗行くか」二択しかなかった――借金を抱えて風俗業界で生きる、それぞれの事情

2018/08/26 21:00
syakkinn0824
Photo by Photography from AC

――デリヘルで風俗デビューし、出稼ぎ&吉原ソープを掛け持ちした後、現在は素人童貞などSEXに自信のない悩める男性のためにプライベートレッスンを行うアラフォー風俗嬢が、男たちの姿をつづります。

 深夜ひとりになると、余計なことを考えて、孤独を感じたり、病む人がいると思う。

 私も振り返ると、昼職をクビになり、働けるあてもなく、借金だけが増え続け、自律神経がやられてしまったので職探しで動くメンタルを持ち合わせておらず、「もう風俗しかない」と決心したのは真夜中だった。

 面接のための電話は手が震えた。電話を切った後も、ただただ震えながら涙が流れた。私にはもう、死ぬか風俗行くかの二択しかなかったから。

 真夜中の風俗面接や応募電話は訳ありが少なくないみたい。あるデリヘルに勤務していた頃。

 風俗未経験で20歳前後の若い女性が、終電間際の時間に面接にやってきた。応募の動機は、おじいちゃんの会社を継ぐ人がいなく、倒産するにもお金がかかるとかで、でも今月中に50万円用意しないといけないらしく、その足しにちょっとでも家族を助けたいと言って面接に来たとか。

 本人も金欠だから、体験入店で1万円を持って帰りたかったそう。深夜に来たからお客さんに付けなかったらしく、初対面なのに人のいい店長は1万円を貸してあげたらしい。そして、20歳そこそこの子が親の借金を勝手に心配して風俗に来るんじゃなく、まずは両親と話し合いなさい、と言って家に返したそう。

 なんとも風俗店の経営者っぽくない、まともなアドバイス。当たり前のことだし、普通のことしか言ってないけど、風俗業界にちょっと長くなると、少し感動してしまう。それくらい、男も女もお金のことしか考えていない人ばかり見聞きするから。

 風俗嬢に風俗店員、スカウトマン、お客さんもそうだ。お金に困っている理由の中でも、自分で作った借金ではなく、家族の借金を返すためというケースも少なくないことに驚いてしまう。両親や兄弟が事業に失敗してとか、手術代や膨大な治療費などを返済するために働く、そんな風俗嬢や風俗店員。お客さんにも、借金返済中という人たちがそれなりにいた。返済していてお金がなくても、やっぱり息抜きはしたいもの。

 ある人は、共同事業をやろうとしていた20年来の友人にお金を持ち逃げされて、捜索してもらっている最中なのだとか。具体的な金額は教えてもらえなかったけれど、見つけたら半殺しじゃすまないと怒っていた。

 長年の友情があってもお金は人を狂わす。「ようやく貯金ができるまでになったから」と風俗に来たらしい。

 親の会社の借金返済を手伝って、青春時代と20代を失ったお客さんにも出会った。「30歳目前にしてようやく目処がついたから、これからは自分のやりたいことをするんだ」と目を輝かせていた。そんなタイミングに私を選んで指名してくださった人には、心も体も精一杯のリフレッシュを与えて差し上げたいと思えてならない。

 女も男も、みんないろんな苦労を抱えて風俗にやって来ている。

mandara

*曼荼羅*(まんだら)
デリヘルで風俗デビューし、出稼ぎ&吉原ソープを掛け持ちした後、現在は素人童貞などSEXに自信のない悩める男性のためにプライベートレッスンをしているアラフォー風俗嬢。子宮筋腫と腎臓の手術経験があり、現在は子宮頸がん中等度異形成持ち。売りはHカップのおっぱい。
ブログ「続・おちぶれ続けるアラフォーでぶ女の赤字返済計画
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最終更新:2018/08/26 21:00
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