【連載】別れた夫にわが子を会わせる?

夫の浮気が原因で離婚、慰謝料200万円で料理学校へ。出産後に直面した男女平等のウソ

2018/08/22 15:00

慰謝料200万円を持って料理学校に入学

――子どもは、そうした様子を見ていたんですよね。

 子どももつらかったようです。運動会のときに、自画像を描いて旗にするというのがあったんですが、そこに1人だけ、自分の顔を描いた上から黒で塗りつぶした真っ黒い絵を描いていましたから。

――パパママの争いを見て、子どもなりにいろいろ思ったんでしょうね。

 このまま家庭内別居っていうのを続けてても、子どもにはいい影響はない。かわいそうなことになると確信しました。彼もそれを感じていたようで、結局、半年待たずして、3カ月ぐらいたった、その年の年末に、協議離婚することで合意しました。子どもは、私が連れていくことになりました。

――いろんな条件は、離婚するときに決めたりしたんですか?

 彼は、養育費の算定表を出してきて、毎月10万という額に決まりました。そのほか、慰謝料は200万円。「それ以上は一切請求しません」という書類に私がハンコを押して、離婚が成立しました。

――面会交流の取り決めはしたんですか?

 彼はアメリカかぶれなので「離婚しても、年に100日会わせるべき。もちろん宿泊込みで。アメリカではそうなっている」とか、そんなことを主張するんです。それで小学校に入るまでは、なんだかんだ月2回会わせてました。1日は日帰りで、1日は宿泊だったと思います。

――離婚後は働いたんですか?

 その時、私は何を思ったのか、200万円を持って料理学校に入ったんです。離婚して、こんな1人で、これからは就職も難しい。だったら小料理屋だろうって。そんな安易な考えで、料理学校に1年行って、その後は料理屋さんで1年少し働きました。だけど、料理の世界は手取りが15万円しかない。店を開いて成功しない限り、生活はやっぱりちょっと難しい。それから、派遣の仕事を少しするようになったら、社会人1年生のときに、いろいろ指導してくださった先輩の女性編集者から仕事をもらったんです。ちなみに子どもですが、認可外の保育園に3カ月。以降は、認可保育園に預けていました。

――子どもは、元夫に引き合わせていたんですか?

 こちらを見てほしくないし、見たくもないので、マスクをして帽子を深くかぶって、引き渡しの場所まで行っていましたね。子どもが小学生になってからは、家の近くまで迎えに来てもらって、子ども1人でその場所まで行かせました。さらに最近になると、子どもに与えたiPodにLINEを入れてあげて、それで彼と直接やりとりをしてもらっています。

――面会時の子どもの様子はどうなんですか?

 離婚直後からしばらく、子どもは混乱していました。お父さんとお母さんのけんかはいつか終わって仲直りするだろうと思っていたからです。そのころ私、子どもに父親のことをつい「お前のお父さんはクソ野郎でな(笑)。女にだらしねぇんだよ」って言ってしまったりしてましたしね。

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