【特集:目黒事件から改めて虐待を考える】第1回

「加害者の半数は実母」「幼児より新生児の被害が圧倒的に多い」――児童虐待の事実をどのぐらい知っていますか?

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Photo by bradleyolin from flickr

 東京都・目黒区で5歳の船戸結愛ちゃんが亡くなった事件。父親から日常的に暴力を振るわれ、十分な食事を与えられず衰弱死したという悲惨な虐待の内容と、結愛ちゃんが書いた「おねがい ゆるして」という手書きの文章は社会に大きな衝撃を与えた。

 このような凄惨な虐待事件が明るみになると、加虐者への厳罰化を求める声や児童相談所へのバッシング、権限強化を促す声が勢力を持ちやすい。しかし、本当に厳罰化が虐待を抑制できるのか? 児童相談所が“捜査力”を持てば、助かる命が増えるのだろうか?

 長期的に虐待を防ぐには、虐待にはどのようなケースがあるのか、現行の制度や法体制にどのような問題があるのかを冷静に分析し、一人でも多くの人が虐待の知識を深めることが第一歩となる。

 今回の特集では、あらゆる視点から虐待が起こる要因や予防策を探るために、5回にわたって専門家へのインタビューを掲載する。

 第1回は、児童虐待の情報を収集・分析、児童相談所職員などの研修を行う「子どもの虹情報研修センター」専門相談室長・小出太美夫さんに、虐待の種類や起こりやすい要因を厚生労働省発表の「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第13次報告)」(以下、第13次報告)のデータから分析してもらい、虐待死の“現実”を見ていきたい。

■児童虐待の種類

 そもそも児童虐待は、殴る・蹴るなどの「身体的な虐待」、子どもへの性暴力やポルノグラフィティの被写体にするといった「性的虐待」、食事を与えない、病気になっても放置するといった「ネグレクト」、無視や他のきょうだいとの差別的な扱い、子どもの前で他の家族へ暴力を振るう(面前DV)などの「心理的虐待」の4種類に分けられる。

 第13次報告(平成 27年4月1日~28年3月31日が対象)では全国の児童相談所(以下、児相)が対応した虐待相談件数は“過去最高”となる12万2,575件だが、小出氏は「家庭という密室で起こっている虐待を正確にカウントすることはできないので、『増えている』とは断言できない」と懐疑的だ。また第13次報告には、市区町村での虐待対応件数はカウントされていないという大きな落とし穴もある。

 近年、児相の対応件数が「急増している」と報じられることが多いが、その半数近くが面前DVを含む心理的虐待だ。面前DVは平成16年の児童虐待防止法の改正で心理的虐待に該当すると明文化され、28年4月には警察庁が全国の警察に対し、虐待に関連するDV事案について、児相など関係機関への通告を徹底するよう通達。29年に全国の警察が児相へ通告した18歳未満の子どもは6万5,431人で、このうち3万85人は面前DVだった。

虐待を恨む気持ちも大事だけど、現実を知ることも大事

しぃちゃん

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