ベネディクトもスタントがんばった!?

ベーカー街221Bへのこだわり、意外な人物たちの出演……ドラマ『SHERLOCK シャーロック』のトリビア10選

2018/08/26 16:00
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 医師から作家に転向し、多くの名作を残したアーサー・コナン・ドイルの人気推理小説シリーズ『シャーロック・ホームズ』。鋭い観察眼と推理力を持つ顧問探偵シャーロック・ホームズの活躍を、友人で医師のジョン・H・ワトソンの目を通して描いた作品で、今なお世界中で愛され、読み継がれている。2012年にギネスから「映画やテレビドラマで最も多くの俳優に演じられた小説の登場人物」認定されたシャーロックだが、近年まで英テレビドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』(1984~94)に主演したジェレミー・ブレットが、「挿絵のイメージそのもの」であることから、シャーロックのイメージに最も近いとされていた。

 08年、英「BBC」局が「ベネディクト・カンバーバッチ主演で、物語の舞台を現代に移してシャーロックを蘇らせる」とドラマ『SHERLOCK シャーロック』の制作を発表した時、「巻き毛で透き通った瞳のシャーロックか……」と戸惑う声が上がった。「辻馬車でなくタクシーで移動するシャーロックなんて、雰囲気が出ない」と落胆する人もいた。しかし、放送がスタートすると、大半の人が「シャーロックの性格と雰囲気を見事に体現している」とベネディクトを絶賛。舞台が現代のロンドンであることも、違和感なく受け入れられた。

 今回は、世界的に大ヒットしている『SHERLOCK シャーロック』のトリビアを紹介しよう。

1.美人ヴァイオリニストから特訓を受けたベネディクト

 原作小説でシャーロックが所有していたのは「17世紀前後に実在した弦楽器製作者アントニオ・ストラディバリが手掛けたヴァイオリン」だが、撮影に使用されたのはヴァイオリン専門店「カーディフ・ヴァイオリンズ」からレンタルしたもの。

 ベネディクトは、ヴァイオリンを弾く演技を行うために、プロのヴァイオリニストからレッスンを受けたいと希望。美人ヴァイオリニストとして知られるエイオス・チャーターをコーチとして雇い、撮影の合間の短い休憩時間も練習に捧げた。エイオスは、美しい音色を出す特訓だけでなく、「ヴァイオリン弾きのさりげない弦の持ち方」「演奏する際の指、手、腕の動き」なども伝授。「ベネディクトは、とても勘がよい人」と大絶賛し、「私生活で大きなバイクを乗り回すワイルドな人が、こんなにもヴァイオリンが似合うとは思っていなかった」とも語っている。

 ベネディクトはドラマの中では実際にヴァイオリンの音を出しているが、ほとんどのシーンはエイオスの演奏がかぶせられている。また、サントラに収録されているのも同様にエイオスの演奏によるものだ。

 なお、撮影終了後、BBCはジョン・H・ワトソンの名前で、「気難しい友人のヴァイオリン購入に辛抱強く付き合ってくれてありがとう。彼も喜んでいた」とカーディフ・ヴァイオリンズに“感謝状”を送っている。

2.シャーロック両親役を演じるのは、ベネディクトの両親

 シーズン3の第1話で初登場した、シャーロックの両親。その後も2話ほどチラッと登場するが、この両親役を演じているのはベネディクトの実の両親である。

 ベネディクトの父親は、舞台俳優としてのキャリアが長いティモシー・カールトン。母親のワンダ・ヴェンサムも、テレビや映画で活躍する女優。ベネディクトはいわゆる“2世俳優”なのだが、コネには頼らず。名門マンチェスター大学で学士号を取得後、ロンドン音楽芸術学院で演劇を学び、英国立劇場や王朝劇場などで演劇に磨きをかけた。経歴を見ると叩き上げの演技派俳優のような印象を受けるため、父親と共演したことにより「2世だったんだ!」と驚いた視聴者も多かった。ベネディクトは「両親のことは誇りに思っているからね。最高の経験だったけど、めちゃくちゃ緊張した」とコメント。しかし、演技は完璧で「プロ意識の高い親子」だと大きな話題を集めた。

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