角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第164回

異常な暑さ! それでも屋外行事をするなら……保育園経営者が考える熱中症対策

2018/07/21 17:00

暑くても、子どもは校外学習を楽しみにしている

 先日、熱中症で小学1年生が亡くなるという悲しい事故が起こりました。校外授業の後に亡くなったそうですが、娘と娘の学校の友達は、世論の「暑い日は校外学習をやめるべき」とは全く違う意見でした。「こんなことがあると校外授業がなくなる風潮になるので、それだけはやめてほしい!」「死んだのは、水分補給を促さなかった先生が悪い」などです。娘の学校はこの時期にジャガイモの収穫があり(学校の敷地が広いので、校外授業並みに歩いて向かう)、風潮に合わせ中止になったらたまったもんじゃないと思っているようです。

 私も娘たちと同意見ですが、40人くらいいる生徒全員の体調を1人の教員が把握することは難しいので、校外授業の時は養護の先生や副担任、手の空いている体育科の教員など配置を増やし、水筒を忘れた子には学校で用意した飲み物を渡したり、塩タブレットを食べさせたり、臨機応変な対応をするべきだと考えます。どうか一律中止にはせず、できる限りのことをして、行事を行ってほしいです。

 体調に不安がある時は、「参加しなくてOK」という選択肢も作ってほしいです。もちろんその場で子どもが言い出しやすい環境も大事だし、参加者で体調が悪そうな子がいれば、教員判断で参加しないようにしてほしい。その分、課題で単位が取れるようにしたりして、こどもの学力を下げない代案での対応を求めます。

 保育園ではいまの時期、1日に何度も麦茶を飲ませています。部屋にいても熱中症になるので、細心の注意をしています。娘にはソルティライチのペットボトルを凍らせて持たせていますね。私はマイボトル持参で、京番茶を飲んでいます。

角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月に認可外保育園「駒沢の森こども園」、16年4月からは派遣ベビーシッター「森のナーサリー」、17年4月に認可外保育園「衾の森こども園」をオープンさせる。家庭では10歳の愛娘の子育てに奮闘中。

最終更新:2018/07/21 17:00
日本を蝕む「極論」の正体 (新潮新書)
段階や努力を踏まずに「一律中止」というのも思考停止の一つ
アクセスランキング