意外とアレが当たるかも?

『おっさんずラブ』脚本家、大御所・野島伸司の登板……7月期ドラマ、脚本家で見る業界評

2018/07/08 15:00
ossannzurabu707
『おっさんずラブ』/TCエンタテインメント

 7月クールのドラマが始まる。在宅率が低くなるこの季節は、視聴率が望めず、業界内では「夏枯れ」と自虐的に言われている。そんな7月ドラマの業界評を、今回は脚本家という観点で見ていこう。

 9日から始まる月9ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)。2010年と11年、上戸彩主演で作られた作品の続編だが、今回の主演は沢村一樹。月9初登板だという。

 ここで注目したいのが、脚本家の変更だ。

「10年、11年とメインライターを務めていた酒井雅秋の名前がなぜか消え、今回の顔ぶれは浜田秀哉、小山正太、井上聖司の3人となっています。酒井は12年、オダギリジョー主演のドラマ『家族のうた』(同)を執筆するも、午後9時台で3%という記録的な低視聴率に見舞われ、8話で打ち切りに。さらには、田村正和主演ドラマ『パパはニュースキャスター』(TBS系、1987年)と内容が酷似していると指摘され、ネット上では酒井が、そのストーリーのプロット(あらすじ)を持ち込んだ張本人ではないかとして糾弾されました」(放送作家)

 7年ぶりの『絶対零度』の書き手から外された理由に、そうしたトラブルも関係しているのだろうか。

 一方、あのヒットメーカーの復活が注目を集めている。

「90年代にヒットを連発した野島伸司が、石原さとみ主演の『高嶺の花』(日本テレビ系)の脚本を手がけることがわかっています。ただ、最近の野島は深夜ドラマやHulu、NHK BSプレミアムなどの仕事が多く、ヒット作の履歴がなかなか更新されません。紹介されるときも、いまだに『「101回目のプロポーズ」や「高校教師」の野島伸司』と言われるぐらいです。日テレはどんな勝算があって彼に脚本を依頼したのかと、首を傾げられてます」(制作会社スタッフ)

 一方で、いま最もノッているともいえる、あの脚本家も登板。

「土屋太鳳主演の金曜ドラマ『チア☆ダン』(TBS系)の脚本は、徳尾浩司です。彼はドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)を手がけたことで知られている。今作でも大いに筆を振るってくれるのではないでしょうか」(同)

 だが、『チア☆ダン』には懸念もある。同作は全米制覇を成し遂げたチアリーダー部の実話をもとにしたドラマで、昨年、広瀬すず主演で映画化されヒットも記録しているが……。

「06年、榮倉奈々の初主演ドラマ『ダンドリ。~Dance☆Drill~』(フジテレビ系)が放送されました。これは、神奈川の高校のダンスドリル(ダンス訓練)部が、全米ダンス選手権で総合優勝するまでの実話を基にした物語です。ところが初回は11.0%と、当時のフジの火9で歴代最低を更新。その後6.4%まで落ち込むなど不振を極めました」(同)

 女子メインのスポーツドラマは、例えば『WATER BOYS(ウォーターボーイズ)』(同)や『ROOKIES(ルーキーズ)』(TBS系)『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』(フジテレビ系)といった男子中心の青春群像劇に比べてなぜか弱い印象にある。2時間程度の映画だと、スケールの大きなロケもあいまって爽やかに見られるのだが、連ドラでどこまで飽きられずに見せきることができるのだろうか。

 いずれにせよ、7月期、トップに躍り出る作品はどれなのか? 楽しみに待ちたい。
(村上春虎)

最終更新:2018/07/08 15:00
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