ドラマレビュー

池松壮亮の『宮本から君へ』が、屈指の青春ドラマとなり得たワケ

 今期、テレビ東京系で金曜深夜に放送されていた『宮本から君へ』は、文具メーカー・マルキタの営業として働く新卒のサラリーマン・宮本浩(池松壮亮)を主人公としたドラマだった。仕事に対して情熱を持てずにいた宮本が、駅のホームでいつも見かける女性・甲田美沙子(華村あすか)に声をかけたことをきっかけに物語は動き出す。

 原作は90年代前半に「モーニング」(講談社)で連載された新井英樹の同名漫画。物語は二部構成となっており、1~4話は宮本と甲田美紗子の甘酸っぱくも痛々しい恋愛模様を描いており、5話以降は、先輩・神保和夫(松山ケンイチ)から引き継いだ営業先における新規案件の入札をめぐる、ライバル会社との激しい対決が描かれている。

 『宮本から君へ』が連載されたのは、バブル崩壊直後とはいえ、一度会社に入れば安定した生活が保障されると思われていた、まだ豊かな時代。汗水垂らして一生懸命に働くなんてカッコ悪いというのが、当時の空気だった。そんな時代のカウンターとして本作は描かれ、仕事にも恋愛にも一生懸命の暑苦しい男・宮本浩の生き方は、読者の間で賛否を呼んだ。

 舞台が現代に変わったドラマ版には、漫画のような賛否を呼ぶ破壊力はないものの、会社を舞台にした青春ドラマの傑作に仕上がっている。

 何より、役者が素晴らしい。今作が女優デビューとなる華村あすかの初々しい演技、松山ケンイチ、蒼井優、星田英利、柄本時生といった実力派俳優が脇を固めていて、深夜ドラマとは思えない豪華さだ。中でも一番目が行くのは、やはり主人公の宮本を演じる池松壮亮だろう。

 池松は、最近では是枝裕和監督の映画『万引き家族』等に出演している、27歳の演技派俳優。テレビドラマでは、福本伸行の漫画を映像化した『銀と金』(テレビ東京系)で主演を務めている。『銀と金』は、池松が演じるフリーターの青年・森田鉄雄が、銀さん(リリー・フランキー)と呼ばれる謎の男の導きによって、億単位の金が動く裏社会のマネーゲームに巻き込まれていく物語で、ドラマ自体は面白かったものの、森田を演じた池松の演技に対しては、若干の疑問があった。

 森田という存在は、当初、冴えない青年だったものの、裏社会の荒波にもまれることで、勝負師としての才能に目覚めていくという男なのだが、池松演じる森田は、最初から目が血走っていて、狂気を秘めた迫力があった。本来、最初に見せるべき“普通の青年”の側面が機能していないように感じられたのだ。

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