[女性誌速攻レビュー]「Domani」7月号

55万円の時計をつけて「高見え」ファッションを説く「Domani」のトンチンカンさ

2018/06/30 21:00
domani7gatugou
「Domani」7月号(小学館)

 毎月密かに楽しみにしている連載、マーケティングアナリスト・原田曜平さんの「後輩世代のトリセツ」。「Domani」(小学館)7月号は、「『恋愛』にまつわる4つのトレンドから、若者の傾向」を探るというもの。「若者の傾向」を知ってどうすりゃいんだ? ってことは置いておいて、4つのトレンド、「シミラールック」に「三光稲荷神社」「寝落ち電話」「Couples」、早速見ていきましょう!

 簡単に説明しますと、「シミラールック」は、あの頃はやったシノラーでもアムラーでもなく、「恋人同士で、どこか似ているけどまったくおそろいではないコーディネートのことで、合わせるのは色やアイテム、ブランドなど」だそうです。双子コーデを薄~くマイルドにした感じでしょうかね。これならアラフォー世代でも難なく取り入れられそうです。ドンとこい、若者!

 「三光稲荷神社」は、「ピンクのハート形絵馬がかわいいとインスタで火がついた縁結びで有名な神社」とのこと。「ポップな仕掛けが当たり、数年前まで寂れていた城下町が大復活を遂げている」らしいですよ。どっちかといえば、インスタ映えの絵馬より神社の大復活劇の過程が気になりますね~

 そして、「寝落ち電話」。「恋人同士、LINE電話のスピーカーホンで通話して、相手が無言のときでさえ切らずにつながりっぱなし。やがてイビキまで聞こえてきて、相手のほうも寝てしまう。朝になってどちらかが起きたらスマホから『朝だよ』とささやかれて起きる」というものらしいですよ。なに、この「ビューネくん」感! うらやましい! でも、よく考えるとキモい!! 以上、アラフォーの感想でした。

 最後の「Couples」は、「カップルふたりだけでチャットができるアプリ。400万DLと人気が高い理由は、毎日違う質問をされてそれに答えていく機能があるから」ですって。「このアプリを持てるという優越感と、私リア充なんだと確認できることがうれしい」とのこと。ちなみに質問内容は、「告白のセリフを覚えてる?」「相手のどんなところが好き?」「1年後どうなってると思う?」といったもので、毎晩7時に届くんだそう。なんだろう、毎日・毎晩という言葉にどんどん気が滅入ってくるのは……。タスクを増やさないで~!! 以上、こちらもアラフォーの感想でした。

<トピックス>
◎夏の“安い”はきれいめで高見えする!
◎お腹がひっこむ!「食べ方」講座
◎30代→40代、私たちはどう生きるか

 55万円の時計をつけて「高見え!」言われても

 「今どきアラフォーメークは『やめるが勝ち』!」をチェック。「いつものメークを少し引き算してみる。新しい自分を発見でき、時短にもなります」ですって。時短はうれしいけど、手の抜きようがわかりません。だって、「10~20代のころ、きっちりフルメークが流行っていたドマーニ世代」ですもの。

 今回提案されている「やめる」ことは、「ファンデーションの全顔塗りをやめる」「締め色とアイラインをやめる」「アイブロウペンシルをやめる」「グラデーションアイシャドーをやめる」「たまにチークをやめる」「クリームアイテムの指塗りをやめる」「休日はアイメークをやめる」の7つ。

 いや~、わかっちゃいるんだけど、この年になると「やめる」のは難しいんですよ。アイメークを薄くしたり、やめたりするのは勇気がいる。チークなしも怖い。だって、お肌はくすんでいるし、たるんできているから、濃いもので持ち上げたい! 「新しい自分を発見」するより、くすみやたるみをカバーしたい! 現状維持! “抜け感”や“こなれ”は、どうだっていい!! ということで、実践に移せそうもない企画でした。

 話は飛んで、表紙に登場した小泉里子さんに「この服、実はTOTAL¥17,600なんです!」という吹き出しがついているのですが、でもそれは、ブラウス、カーディガン、パンツだけの話だったんですよ。クレジットを見ると、ピアスは片耳で3万2,000円だし、ネックレスは5万6,000円、時計にいたっては55万円、バック8万6,000円に、靴9万5,000円じゃん!? 特集名は「夏の“安い”はきれいめで高見えする!」だけど、実質的には「“安い”は高いものと合わせて高見えさせる!」じゃないの?

つまり、アラフォーメークもこれくらいのメリハリがないと厳しいのでは? アイメークもチークもやめたら“安見え”ならぬ“生活苦丸見え”になっちゃいますよ!

Domani(ドマーニ) 2018年 07 月号 [雑誌]
結果、一点豪華主義みたいなこと?
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