[サイジョの本棚]

切迫する生活と死の気配が官能的な空気を作る、異色の恋愛小説『じっと手を見る』

「宇野千代になりたい」は贅沢!?

■『ババア★レッスン』(安彦麻理絵、光文社)

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 『ババア★レッスン』は、そのインパクト大のタイトルの通り、48歳になる著者が「いいババア」になるための道筋を探り、目標となる先輩ババア像を模索する、ポジティブでパワフルな加齢にまつわるエッセイだ。「ババア」という言葉は、侮蔑語として使う場合があるため、言葉だけで不快感や抵抗を覚える人もいるかもしれないが、そんな人にこそ読んでほしい本でもある。

 ここで使われる“ババア”は揶揄ではない。著者は「ババア」という言葉に面白さや人間味を含めた、ポジティブな意味合いを込め、少しでも浸透することを狙っている。「40過ぎたらみなババア」というざっくりした定義の下、ババアの恋とセックス、ババアの趣味、ババアのダイエット、海外のババア事情などについてつづり、さらにはババア観を広げてくれる映画、本、海外のコメディ番組まで紹介する。

 「どんなふうに年を取りたいか」と問われた時の女性の回答の定番は、著者が言うように「縁側でひなたぼっこをしてる、可愛いおばあちゃん」だろう。さらに著者自身も憧れていたという「宇野千代」さんも定番の1人と言える。そんな定番以外のロールモデルを求める著者が「81歳の現役DJ」スミロック氏を材した章は、異様な熱気がこもっている。深夜1時にクラブイベントに参加する彼女のパワフルな活躍と言動に触れれば、 “わけのわからない”活力が湧いてくるだろう。

 加齢と気持ちの折り合いがつかない中年以降の女性はもちろん、まだ10~20代なのに、つい「ババア」を自称してしまう、年齢の鎖にガチガチに縛られた女性たちにも読んでみてほしいエッセイだ。
(保田夏子)

最終更新:2018/06/17 19:00

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