スナックライター・五十嵐真由子氏インタビュー

アラサー女性はなぜ「スナック」にハマるのか? 社会的背景と魅力を分析!

2018/05/20 19:00

エンタメ色の強い個性的なスナックも急増中

 新たなコミュニケーションの場として、女性から人気を集めている「スナック」。しかし、ママの高齢化や採算が合わないなどの理由で店を閉めるケースも増えていて、年々全国で約1万店が淘汰されている。とはいえ、入れ替わるように若い女性の参入も増えつつあるという。

「スナックは居抜きでも始められますし、調理場もいらないので、比較的コストをかけずに開店することができます。お酒とカラオケ、簡単なおつまみさえあれば十分なので、飲食経験がなくても始めやすいんです」

 若いママが増えているのも、同年代に当たる「スナック女子」が増えている要因のひとつかもしれないと五十嵐さんは語る。

 ほかに、さまざまなコンセプトを掲げている変わり種のスナックも人気を呼んでいる。

「岩盤浴のある店や、占いが楽しめる店など、エンタメ色が強い個性的なスナックも増えています。あとは戦隊ものが好きな人たちが集まる店など、何かの趣味に特化したお店も多いですね」

 さらに五十嵐氏は、スナックの魅力として、明朗会計な上にコスパがいい点を挙げる。

「女性なら、飲み放題&カラオケ歌い放題2時間3,000〜4,000円くらいが相場です。行ったことがない人は驚くと思いますが、普通のカラオケよりも断然安くてお得なんですよ」

■常連さんが来る前の19〜20時がおすすめ

 最後に、スナックデビューを目指す女性に向けて、五十嵐氏からアドバイスをもらった。

「都心なら、スナック検索サイトを見て、ある程度下調べするといいでしょう。料金や店の雰囲気が載っていますので、自分に合いそうなスナックが見つけられると思います。地方の場合ですと、古典的ですが、飲食店の店員やタクシーの運転手さんにイチオシの店を聞くのが一番。ただ人気店だと、満席で入れないことも結構あるので注意が必要です」

 そして、行きたい店が決まったら、初心者でも入りやすい時間帯を狙って行くべきだと五十嵐氏は言う。

「初めての店なら、19〜20時ごろに行くのをおすすめします。遅い時間に行ってしまうと、すでに常連さんたちでにぎわっているので、その輪に入っていきづらいかもしれません。早めに店に行ってママと話しておけば、スムーズになじめるはずです」

 今の時代、SNSで簡単に人とつながることができる。しかし、女性たちはリアルなコミュニケーションを求めてスナックにたどり着き、日頃のストレスを発散しているようだ。
(福田晃広/清談社)

最終更新:2018/05/21 16:02
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